『もう一度君に、プロポーズ』…叶うことのない憧れと、それでも待ち続ける何かは薄皮ヴェールに包まれた
和久井映見という名前がテレビドラマの番組欄にあるたびに僕はすなおに反応する。『夏子の酒』の、あの天真爛漫な明るさと笑顔が頭のなかに浮かんでしまうのだ。そして、思う。また逢える、また逢いたい。しかしそれは叶うことはない。
TBSのドラマ『もう一度君に、プロポーズ』も、またそんな状態だ。
初回放映で、和久井映見のちょっとやつれた輝きを失った姿を目の当たりにし、落胆し、そして見続けていてはいけない、と思った。しかしやはり観つづけてしまっている。
実生活で、結婚した相手の所行をきちんと受け止め、そしてふたりの生活を貫こうとした、その彼女の姿勢の真摯さと謙虚さが、いまのドラマにも重なってしまうのだ。
彼女の姿は、とてもぎこちない。本当の気持ちは、二枚も三枚もの薄皮ヴェールに包まれていて、どうしてもつかみ取ることができない。そういう姿は、彼女という人間そのものを観ているように思えてしまい、素朴すぎるもの純粋すぎるものをはらはらしながら見守りたくなる、そういう気持ちがあふれる。
和久井映見は、僕にとって、身近にいながら触れられない人に近い。それでもよい、見守り続けていたくてしかたがない、そういう存在だ。
番組トレイラーはココ→
http://www.tbs.co.jp/propose2012/story/spot01.html
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