『ブラブラバンバン』を観る・・・BENIの「ダッタン人の踊り」を聴け!
ネット配信で『ブラブラバンバン』(2008年、ポニーキャニオン)という映画が放映されていた。中学時代の想い出がふとこみ上げて観てしまった。
出だしからラヴェルの『ボレロ』だ。それもホルンのソロのところからである。なんとも艶やかで美しい音楽。そして『ダフニスとクロエ』。音楽が感情を高揚させ、周囲を愛する気持ちがほとばしり昇華するようになる、という、そういう感覚はわかる。映画のなかではそれが誇張されて描かれてはいるものの、音楽がひとを狂わせるほどになるということは、痛いほど伝わってくる映画だった。
芹生百合子役を安良城 紅(あらしろ べに)という若い女優が演じていて、それがまことに美しく、ただ春の夜の夢のごとし。
後記:この女優はこの当時からすでに歌手として名を馳せていたそうで、のちにBENIと改名した。映画のなかでも、彼女は指揮をしながら「ダッタン人の踊り」(ボロディンの『イーゴリ公』の第2幕から)を歌うのだが、それは胸の奥からどくどくと流れてくるような力があった。
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