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『夢』を見る大切さに気づく・・・世界級のアーティスティック・ミステリー『楽園のカンヴァス』

これはいったい・・・と読み始めてすぐに言葉を失い、ダン・ブラウンの新作かと思うような、芸術と才知に輝いた小気味良いテンポと、活き活きと情景が浮かび上がる描写に吸い込まれていった。まるで催眠術にかかるかのように。『楽園のカンヴァス』(原田マハ著、新潮社)。

美術館、倉敷、ルソー、ニューヨーク、バーセル、ピカソ、アポリネール、パリ。その描写からは、まさにその街や絵画を前にしたとおりの空気と匂いが伝わってくる。そして、ルソーという芸術家が生み出そうとした世界が何だったのか、ということが、すこしづつ解き明かされていく。ストーリー展開とその仕組みは心憎いまでに上手い。

この小説には、通奏低音のように大切なメッセージが流れている。それは、『夢』であり、『夢を信じて生きる』ということの大切さと強さだ。

震災から一年を経た今日この日に、この書を読み始め読み終えたことに、なにか運命のようなものをも感じる。これからも大切にすべきものが何かを教えてくれたような気がしたからだ。そして、この書を薦めてくれた友人の慧眼に篤く感謝する。彼の心の底に流れたものを想像してそこにも共感する。

楽園のカンヴァス

原田 マハ / 新潮社

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Commented by maru33340 at 2012-03-12 07:50
これは本当に凄い作品。久しぶりに、「小説はここまで出来るのか」と感嘆しました。
Commented by k_hankichi at 2012-03-12 20:55
『夢をみた』の絵画を一目みた瞬間のシーンでは、涙がじわ~んと湧き、背筋がじん、鳥肌が立った。
by k_hankichi | 2012-03-11 23:20 | | Trackback | Comments(2)

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