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はじめのページから魅了される…『絵空ごと』

朝から幸先が良い。読み始めた本が最初のほうから次のような言い回しである。

“不思議なことに、例えば溜池の昔は電車の停留場があった所が高速道路を被せられてどこなのか見当が付かなくなっていてもその上の高速道路を通って渋谷辺から浜松町の方へ行く途中、自分が東京ではないどこか他所の町に来たとは思わない。

そこから眺めれば普通は新たに出来た建物に隠されている目印も見えるからということもあるかも知れないが、それならはそこからでは却って見えない目印もあってそのようなことになるよりも高速道路からの眺め全体が明かに東京の町というもので他所と取り違える余地がないのである。”(『絵空ごと』吉田健一、講談社学芸文庫)

友人が大和の闇に触れ入りたいと言っていて、確かに僕もその、古代につながった闇を味わいたいが、しかしいまはそこには行けないので東京の町の昔につながる想いにしばし浸る世界も佳かろうと思うのだ。

絵空ごと・百鬼の会 (講談社文芸文庫)

吉田 健一 / 講談社

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Commented by maru33340 at 2012-03-09 20:17
確かに東京には江戸が生きていて、それは「ブラタモリ」を見ると良くわかるので、それを懐古 趣味と片付けないのがバランス感覚とも言える。
Commented by k_hankichi at 2012-03-09 22:02
そういう町が神保町やお茶の水であり、すこし郊外であると大泉学園や下北沢である。
by k_hankichi | 2012-03-09 07:47 | | Trackback | Comments(2)

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