世田谷文学館『都市から郊外へ~1930年代の東京』

街角オタクとしては、いてもたってもいられない催しが世田谷文学館で開催されていて、赴いた(『都市から郊外へ~1930年代の東京』)。

千歳烏山という地に行ったのも初めてだが、文学館というところに入ったのも初めてのように思う。区が催すテーマ展だがなかなかどうして力が入ったものだった。

昭和初期は新宿から世田谷に何人もの文学者が住まいを拠点を移した時期。その移行の過程がわかりやすく解説されている。横光利一、桑原甲子雄、萩原朔太郎、宇野千代、森菜莉。西脇順三郎もこの地でたくさんの詩を書いた。

成城学園は東京の軽井沢、という広告までされていたようで、郊外住宅も競って設計された。斬新なるバウハウス系の流れもある。

写真や模型、資料を見ているうちにどんどん時代に逆行していき、そこに自分がいるような感覚に陥った。

文学館から外にでるとそこは瀟洒なマンションやら住宅が連なる場所で、不思議な違和感に包まれた。近くにはまだ営まれている農園菜園もあり、もしかするとそこが過去への入り口かと錯覚した。

都市から郊外へ。そしてその延長線に僕がいる。歴史の流れに乗っていることを体感したひとときだった。
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Commented by maru33340 at 2012-03-04 10:51
世田谷文学館には以前、芥川龍之介の遺書が発見された時に、その展示を見に行ったことがあり、なかなかの風情に感じいったものでした。
Commented by k_hankichi at 2012-03-04 12:15
うん、風情ある場所ですよね。「東京の軽井沢」と昔よばれた面影が、かすかに香るようなところもあり。
by k_hankichi | 2012-03-03 19:06 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)