人生を紙コップだと思ってください、という意味の重み…『小さな「悟り」を積み重ねる』
友人が薦めていたアルボムッレ・スマナサーラ僧による書『小さな「悟り」を積み重ねる』(集英社新書)を読んだ。これはたいへん重要なことを伝えようとしている。うまくいかないとすぐに人のせいや境遇(と持っている力)を言い訳にしてしまう自分のことが、だいぶん恥ずかしくなった。友人も文言を引用していたが、僕も以下に記して、記しながら噛みしめて肝に入れたいと思った。なむ~。
・人の生きることの悩み、不安、迷いのすべては、この世を錯覚して見るから起こるものです。
・「自我は幻覚である」と納得できれば、どんな逆境にも負けない強者になれるのです。
・「人生を紙コップだと思ってください」…いったん使われると、それで終わり。
・私たちにできることは、自分がやらなくてはいけないことを、精一杯、努力することです。失敗か、成功か、という先のことを気にして、人生にブレーキをかけてはならないのです。
・仏教でいう中道とは、両極端にあるAとBを超越した道なのです。単純に真ん中にある中間の道ではなく、超越の道なのです。(→注。プログレッシブ・シンキングということを唱えている。)
・人の悩みの多くは、他人と比べて自分の能力やモノやお金や名誉が「足りない」と思うことから起こるものです。
・迷ったときの選択はどちらに行ってもかまわない。…「生きる」という根本から見れば、どちらの人生も実はさほど差がないのです。
・「自分すら頼りにならない」と思っていれば、自分をがんじがらめにしている固定観念から解放されて柔軟な対応ができます。そうなると失敗も当然少なくなります。
・自分のものにしたい、欲しいという感情を私たちは愛と言い換えているにすぎません。
・仏教の修行は、自由のない人生そのものから脱却することを、解脱という最終のゴールとしてめざすものです。…解脱するまでの間にどれだけの小さな達成感を重ねられるかが、「人生の値打ち」を決めるのです。
・逆境という壁はその人本来の力をもってすれば解決できるものなのです。