『野性の証明』を観る~薬師丸ひろ子のデビュー作~

今日の昼、ふと、ケーブルテレビのチャンネルを合わせてみると、映画『野性の証明』が始まるところだった。『野性のエルザ』ではない。カドカワ映画である。何の気なしに観始めたら、破天荒なストーリーと、しかしそのなかにある高倉健と薬師丸ひろ子に魅了され、釘づけになってしまった。

元、自衛隊特殊工作隊員であった味沢(高倉健)は、自分の犯した罪を償うべく、過去を隠して保険外交員として、記憶を失った頼子という少女(薬師丸ひろ子)を養女にして暮らしている。そこに実業界の悪徳土建屋と、その金を利用しようとする自衛隊が絡んでくる。味沢と、彼が心寄せる新聞社に勤める朋子(中野良子)は、土建屋の陰謀を知ることになり、世間にそれを明らかにしようとしたところで、朋子は殺されてしまう。激怒した味沢は彼らに挑み、ものの見事に相手を倒していくが、そのなかで頼子は味沢が自分の父を殺した犯人だということを思い出す。

彼は頼子とともに自衛隊の演習場に逃げ込む。ところがそこにも、新たな追手が加わる。味沢の存在を疎んじていた自衛隊特殊工作隊は、この演習の場を使って彼らを始末しようとするのだ。送り込まれた22名の小隊を、彼は鮮やかに撃破していくが、大切な頼子は相手の銃弾によってこと切れる。大戦車軍団に囲まれようとしている彼に残されたものは、もはや死しかないが、それでも少女の亡きがらを背負って、果敢に挑もうとする。

ストーリーの脈絡の飛躍には驚くばかりだが、これこそがカドカワ映画の真骨頂なのであり、それまでの日本の映画にはなかった鼓動高鳴る、手に汗握る緊迫がそこにはある。軍事シーンはおっそろしく迫力があり、調べてみたら、米陸軍によるオールカリフォルニアロケだったそうだ。通りで凄い兵器の数々だ。M60パットン戦車軍団の疾走はもの凄い。

この映画は僕が大学に入ったころに放映されたようで、当時もその後も観たことはなかったのだけれど、このめちゃくちゃなアクション映画のなかで、静かに咲く美しい花が、薬師丸ひろ子であり、愛くるしく、そして清楚な姿には感銘した。デビュー作(13歳)だったそうだ。

カドカワ全盛期ゆえに、登場する俳優の数は半端ではなく、それを示すために、かいつまんでざっと記載してみる。これは日本映画の、ある一つの頂点かもしれない。

高倉健 、薬師丸ひろ子、中野良子
夏八木勲、ハナ肇、梅宮辰夫、舘ひろし、原田大二郎、 佐藤オリエ、寺田農、倉石功、三上真一郎、近藤洋介、夏夕介、角川春樹、ジョー山中、松方弘樹、金子信雄、成田三樹夫、北村和夫、田中邦衛、大滝秀治、山本圭、渡辺文雄、殿山泰司、田村高廣、北林谷栄、芦田伸介、丹波哲郎、三國連太郎

いくつかのシーンが抜粋されているタイトルバックがアップされている。→http://youtu.be/nlx5lRX_cpE

野性の証明 デジタル・リマスター版 [DVD]

角川映画

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by k_hankichi | 2011-10-08 19:10 | 映画 | Trackback | Comments(2)
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Commented by maru33340 at 2011-10-08 22:34
こりゃまた懐かしい映画でんなあ。見たような記憶がある。
Commented by k_hankichi at 2011-10-08 22:55
角川映画の最初の3年は毎年1作でその3年目の作品。
1976年:犬神家の一族。
1977年:人間の証明。
1978年:野性の証明。

そして懐かしいのはここからさらにブレークし、続々でてきた作品であります。これらはずいぶんと観た記憶がある。
1979年:悪魔が来りて笛を吹く、白昼の死角、金田一耕助の冒険、蘇える金狼、戦国自衛隊。
1980年:復活の日、野獣死すべし、ニッポン警視庁の恥といわれた二人 刑事珍道中。
1981年:スローなブギにしてくれ、魔界転生、ねらわれた学園、悪霊島、蔵の中、セーラー服と機関銃。
1982年:化石の荒野、この子の七つのお祝いに、蒲田行進曲、伊賀忍法帖、汚れた英雄。
1983年:幻魔大戦、探偵物語、時をかける少女、里見八犬伝。
1984年:少年ケニヤ、晴れ、ときどき殺人、湯殿山麓呪い村、愛情物語、メイン・テーマ、麻雀放浪記、いつか誰かが殺される、Wの悲劇、天国にいちばん近い島。


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