両国…魔界への入り口

江戸東京博物館の「東京の交通100年博」に行った。都電、都バス、都営地下鉄といった展開で、JR、私鉄や郊外電車などは殆ど振り返りがない。光と影、荒廃からの復興といったストーリーは省かれている。快活すぎる。腑に落ちない。あっという間に観おわった。

気落ちしたなか、両国の東口界隈を歩いてみた。腹が減っていたからだ。本当は神保町のエチオピアに行きたかったが、なにか後ろ髪引かれるものがあり、駅向こうに足が向いた。

街角はやけに胡散臭い。開店している店は少ないが、居酒屋、ホルモン、寿司、ラーメン、そしてご当地ちゃんこ鍋屋のオンパレードだ。

昼間なのに午前零時を廻った匂いがする。ベルナール・ビュッフェのような柄のサイケ調のタイトなワンピースが歩いてきた。化粧は濃いが顔は見紛うことない、いかつい男だった。

飲み屋街の隙間のような場所に小さな広場があり、どよんとOLや学生が座ったり立ったままに、菓子パンなど食べている。ライターの部品やらアクセサリー的な金属製品を店頭に並べた問屋もある。もちろん客など居ない。

この街は一体なんなのだ。不発なる欝屈を沢山抱えた暗黙の合意の上に成り立った感がある。ああ、むつかしいことは似合わないや。

おまかせ握りランチという広告に思わず入ってしまった。中トロ入り10貫盛り、蜆の味噌汁が付いて500円だ。旨かった。玄太寿司よ、おたくは博物館よりずっと価値がある。

それにしても両国。文化の香りは、無い。食い物得て生きながらえようという香りは、有る。この、何かあらわな街に、近いうちにまたきたい。あるがのままの姿が待っている気がする。魔界への入り口が待っている気がする。
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Commented by maru33340 at 2011-09-03 22:10
ふっふ、はんきちくん隅田川周辺は魔界の巣窟なんじゃよ。
Commented by k_hankichi at 2011-09-03 23:50
昼間から、見えない何かが跋扈しているように感じましたです、はい。
by k_hankichi | 2011-09-03 17:24 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)