『現実入門』(穂村弘)

いつものたのしい世の中観察日記なのかとおもいながら読み進めていき、さいごはとても幸せな気持ちになった。これは穂村さんから彼女(妻となった彼女)へのラヴレターである(とおもう)。現実に社会生活をしていこうという人たちは、こんなことをしているのだ、ということへの驚きと、みずからそれをやりながら、一応(見かけ上)その一員のようなところまで進んでいこうとする、彼の一つの脱皮の過程である。『現実入門』(穂村弘、光文社文庫)。

あまりの痛快さと、ああ、こういうことは自分でもあったよなあ、という感覚についつい嬉しくなる。社会に相容れない存在として自分を見てきた感じてきた人には、痛快この上ない、ある種の自己開発記録であり、そしてはたまた彼女への恥じらいながらの愛の賛歌である。

この歌人も人の子だったのだということを知り、とても爽やかな気持ちになった。この暑い夏の日も乗り越えられそうだ。

現実入門―ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫)

穂村 弘 / 光文社

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by k_hankichi | 2011-08-08 07:43 | | Trackback | Comments(0)