『モチベーション3.0』(原題'Drive'、ダニエル・ピンク著)。副題は、“持続する「やる気!」をいかに引き出すか”である。これは僕のような怠けた人間には気になる一方、そのことの重みを知るだけに、読むモチベーションそのものが湧かないでいた。そして半年ぐらい積ん読にしていた。
ようやくこの週末に読み、一瞬気持ちが高まり、そして高まりきったところで、すこし消沈している。自分はタイプX かタイプIかどちらなのだろうか、とわくわくしながら読んだところで、同社のテストを受けてみると、タイプXであると導出されたところもある。この本は、麻薬のように精神を高揚させる。そしてだからゆえにその反動も大きい。
何のために自分は有るのか、存在するのか、という本質的な問いを続けてくれているのだが、それと同時に、ビジネスは何のために行われるのか、どのように転換していくべきなのか、ということも説いているところがある。それがゆえに、どうしても、いまの僕の理想と現実、このようにしたいというイメージと、これまで大きな慣性で動いてきた(動かされてきた)現実とのはざまに悩むことになる。自分をこの会社や社会の大きな潮流のなかにぽつりと置いてみると、とてつもない挑戦とたくさんの壁が見えてしまう。
それでも内なる声に揺り動かされるように挑戦し続けること、自分で自分の存在を定義する(Write down myself with a sentence)ということでつねに意識付けしていくこと、それが大切なのかもしれない。
Type I behavior: A way of thinking and an approach to life built around intrinsic, rather than extrinsic, motivators. It is powered by our innate need to direct our own lives, to learn and create new things, and to do better by ourselves and our world.
Type X behavior: Behavior that is fueled more by extrinsic desires than intrinsic ones and that concerns itself less with the inherent satisfaction of an activity and more with the external rewards to which that activity leads.
追記:
ダニエル・ピンクが多くを参照しているエドワード・デシとリチャード・ライアンによる「自己決定理論(SDT)」は、行動理論を普遍的な人間の願望を起点にして説いている。人には生来、(能力を発揮したいという)有能感、(自分でやりたいという)自立性、(人々と関連を持ちたいという)関係性という三つの心理的要求が備わっているとする。これらが満たされているとき、我々は動機づけられ生産的になり幸福に感じるという。このなかで関係性、つまり興味を抱く能力、というところが大きな動機づけのひとつになっている。