今週は、NHKの
『Songs』、TBSの
『A-Studio』ともに、「いきものがかり」の特集だった(取材の内容は、TBSのほうが良かったと思う)。ごく自然に普通の若者とかわらないしゃべり方をする彼らだけれども、作り出される歌の数々は、心の奥底から湧き出てくるように素直で、そして透明でじんわりとし、胸の奥を揺さぶるここ数年の僕の生活の中にも、このグループのことや曲や歌詞は通奏低音のように溶け込んでもいる。彼らの出身地は海老名や厚木であり、僕の生活の拠点でもあり、歌詞のいくつかは、まさにそこにある数々の特徴的な風景やシーンから切り取られている。だから、なおさら身近だ。
駅までの道沿いにある肉屋や、飲食店、街のCD屋などにも、直筆サインやメッセージ入りのポスターが自然に貼られているし、町内での会話のなかにも、いきものがかりの誰とかさんの友達、であるだとか、親兄弟親戚がどうした、いきものがかりと一緒のクラスだった、とか、彼らの兄弟とバンドを組んでいる、とかいう話題に事欠かない。
また、今週からは、小田急線の本厚木駅や海老名駅の電車の到着、発車メロディーが彼らの曲になった。ますます刷り込み現象が加速しそうだ。
ところで余談。
いまでこそ、このように身近になったものの、始めの頃は、このグループの名前を「いきものがたり」(生き物語)だと、ずっと勘違いしていた。19世紀の長編の物語のような感じで良いなあ、と思っていた。ところが、「いきものがかり」であると知り、またびっくりした。モノノケ(物の怪)にとり憑かれた人たちということなのか、とさらに勘違いしたのである。
さて、今月出された新しいアルバムは、「いきものばかり」だという。グループ名を勘違いする人たちが続出しないかなあと、ひそかに期待している。
<「いきものがかり」のシングル・ディスコグラフィ>
「SAKURA」2006/3/15
「HANABI」2006/5/31
「コイスルオトメ」2006/10/18
「流星ミラクル」2006/12/6
「うるわしきひと/青春のとびら」2007/2/14
「夏空グラフィティ/青春ライン」2007/8/8
「茜色の約束」2007/10/24
「花は桜 君は美し」2008/01/30
「帰りたくなったよ」2008/04/16
「ブルーバード」2008/07/09
「プラネタリウム」2008/10/15
「気まぐれロマンティック」2008/12/3
「ふたり」2009/5/27
「ホタルノヒカリ」2009/7/15
「YELL/じょいふる」2009/9/23
「なくもんか」2009/11/11
「ノスタルジア」2010/3/10
「ありがとう」2010/5/5
「キミがいる」2010/8/4