アイルランドのボーカルグループ、ケルティック・ウーマンの歌が心地好く、いろいろ聴いていた。そのなかにひときわ、透明に澄んだ歌声で、『スカボロー・フェア』を独唱する人が居た。パセリ、セージ…と。
あとから分かったのだが、それがヘイリー(Hayley Westenra)だった。彼女は、メンバーの一人が辞めた穴を埋めに、友情応援に駆け付けてくれたに過ぎなかった。だけれども、ひときわ輝いていた。
いまはだから、グループを離れて、ソロ活動に戻っている。
そのヘイリーが歌うシーンのいくつもが、YouTubeにアップされている。歌声だけでなく、その立ち振舞いには、謙虚さが溢れていることに、人はすぐ気付くだろう。そして、日本人でさえ、失いかけている、清楚さと恥じらいの気持ちとともに、彼女が在るということにも、気付くだろう。
ヘイリーの歌声が、僕の心を捉えて離さないのは、こういう大切なことに触れさせ、はっと気付かせるからなのかもしれない。
ヘイリーは、アイルランド系移民の家系に生まれたそうだ。僕にとって、アイリッシュ、という言葉が持つ意味、印象が、変わった。