「任天堂 "驚き"を生む方程式」井上理著、日本経済新聞社刊
会社の友人が、これを読め、と置いていった。一気に読んで感心した。
一時期はソニーのプレイステーション1,2に完敗した同社が、世界不況をものともせずに、いかにし国内製造業で営業利益首位に躍り出たのか。
DS, Wii, DSiの一連の製品コンセプトの明快さがやはり鍵なのだということがよくわかる。
子供や若年層、ゲームオタクだけが楽しむ遊びではなく、家庭の主婦までもが受け入れる機能。
高性能だけが命ではなく、枯れた技術で魅力的製品を設計する力や想像力。
ゲーム市場の伸び鈍化をみながら、詳細なマーケティングもおこない、あらたな機能の創世で購買層をひろげる戦略をとった聡明さ。
最後に知った社名の由来や解釈。
「人生一寸埼が闇、運は天に任せ、与えられた仕事に全力で取り組む。」
先代社長の座右の銘も決まっている。
「失意泰然、得意冷然」
カルタ屋、遊戯物屋の真骨頂だ。