音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち
友人から、映画を観てから読め、と言われてその通りにした。

“それが私のアナザー・ストーリー”。

そういう感銘と共に読了した。『検察側こ罪人』(雫井脩介、文春文庫)。

映画を観おえたときに腑に落ちなかった感覚が全て払拭され、それどころか深い安堵とともに心が落ち着いていくのがわかった。

「観てから読むか、読んでから観るか」の問いにまさに答えるような素晴らしい作品だった。

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# by k_hankichi | 2018-09-21 07:02 | | Trackback | Comments(2)
「指揮者レナード・バーンスタイン曰く、偉大なことを成すには二つの要素が必要だという。一つは計画。もう一つは時間、ただし不足気味の。」

ネパールが舞台の小説全体のなかで、一箇所だけこんな記載があって、それがなければもっとこの作品が気に入っただろうなあ、と思った。

『王とサーカス』(米澤穂信、創元推理文庫)。

コナン・ドイル張りの推理小説としてなかなかどうして楽しめたし、ネパールの王宮に起きた奇々怪界なる大量殺人事件のこと、そしてその王宮とはまるで正反対の、そのに暮らす人々の困窮についても知り得て、遣る瀬無い吐息をついた。

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# by k_hankichi | 2018-09-20 07:25 | | Trackback | Comments(4)
連休に観た映画は、久々に腑に落ちないまま置いておいておかれた。『検察側の罪人』。キムタクが演じていた検事の感覚にずっと馴染めなかった。

構図としては、表向きの悪いやつは全て懲らしめられていて、海の向こうの映画『ダーティーハリー』とも相通じる勧善懲悪さだ。

違いは刑事か検事かというところにある。

法の番人の一方である検事がそれをやってしまっては、もはや法廷で物事を問うということができなくなる。

私情というものの底知れぬ深さのなかで、持って行きようもないドロドロとした哀しみとともに漂い続けざるを得なかった。

吉高由里子の屈託なさと聡明さが入り混じった美しさだけが救いだった。

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# by k_hankichi | 2018-09-19 06:47 | 映画 | Trackback | Comments(3)
梅津時比古さんの『死せる菩提樹』を読んだら、その前作も読みたくなって取り寄せて読了。『冬の旅 24の象徴の森へ』(東京書籍)。

次のように書かれていて、深く感銘した。

“しかしながら、ミュラー = シューベルトの『冬の旅』においては、「旅」の概念は単純にドイツ的に行って学んで帰ってくるものとしては捉えられていない。人間的な成長・教養の育成とは無関係であり、死を目指した旅のように見えながら、死にもたどりつかない「さすらい」、「漂泊」として、ある。それはロマン派文学が切り開いたテーマだが、「旅」がそのように、終わりのない「漂泊」として描かれていること自体、ドイツ人にとっては無意識のうちにも強烈な衝撃を与えられるものであろう。それをミュラーは『冬の旅』で深めているのである。ミュラーは「さすらい」や「旅」、すなわちwandernやreisenを、「はずれ者、異邦人」(Fremd)と世界との関わり方として捉えている。たとえばそのには「さまよえるユダヤ人」のイメージも入ってくる。非常に政治的でもあり、また宗教問題をも含んでいるだろう。”(「社会との対峙としての『漂泊』より)

24の曲それぞれに対して詩と旋律の読み込みと考察がなされた大作だった。

この曲を聴きこんでいくときの必携になった。

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# by k_hankichi | 2018-09-18 00:22 | | Trackback | Comments(0)

大熊猫が午睡をむさぼる

秋の連休の中日は、120分待ちの大行列の末に、大熊猫を眺めた。立ち止まる余裕も殆ど無かったけれど、僕らのことは何処吹く風という按配で怠惰に午睡をむさぼる。

ああ、こいつらは大丈夫だ。安泰だ。

そう分かって安堵した。かたやホッキョク熊は精神を病んでいたから尚更だ(岩山の前を繰り返し繰り返し同じルートで行きつ戻りつ歩く)。

それにしても秋の動物園は、相手よりも人間の数が圧倒する。オアシスに水を求めて集まる様相を呈している。

「あいつら何を考えとるんだろね、暑さがちょいとぶり返して怠いのに、何が楽しいんだろね。シャンシャン[香香]まねするんでないよ、寝たふりしとき。」(シンシン[真真])

声が聞こえた。

外にでてみたら、暑いなか、また人間たちがゾロゾロと隊列組んで何やら踊っていてビックリした。(しまった、まだ動物の気持ちでいた。)

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# by k_hankichi | 2018-09-17 00:16 | 街角・風物 | Trackback | Comments(4)