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初めての手賀沼

連休の最後は日帰り温泉へ足を運んだ。『満天の湯』は北総の手賀沼湖畔にある。

小学生時代に地理で千葉には二つの沼があると教わっていたけれど、そこに足を運んだことはなく、だから生まれて初めてその水面を見た。

幅はそれほど広くなく、川みたいに見えるのたけれど、湖畔のほうは広々として開放感に溢れている。

源泉は地下1800mから湧き出しているそうで、舐めるとしょっぱいナトリウム塩化物泉だ。身体の奥深くまで温まる。

ちょっとした旅行気分を味わってから帰宅したら、深い午睡に陥った。

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◼️遠くに見えるのが手賀沼。手前は梨畑。
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◼️地理で習った手賀沼はこんな形だったろうか。
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# by k_hankichi | 2019-08-18 19:28 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)

蒸し暑さが極致に達している週末の街角を歩くのには体力がいる。身体がぐたっとするたびに、目的もなく店に入り、ひやかしと明らかに分かるような目線で棚をサーチするが、店主たちからは一目で見破られている。

夏休みの最後の都会をそうやって神保町を徘徊していた。

同じ書店に何度も入り、涼んで英気を養い、そしてまたクルージングに向かう男は如何にも怪しかった。

それでも昼下がりも時間が経てば、お酒を飲んでよい頃合いになって、だからそういう時間に友人と出会って盃を酌み交わすようになる。

一軒だけのつもりが二軒、三軒そして四軒となるころには、魑魅魍魎が跋扈しているような店にいることになる。そしておどろおどろしつつ、お店の人たちと話を交わしている。

よく考えてみれば、それは最早、お店のひとに管を巻かれている状態で、やくざに絡まれているのとあまり大きな差はない。対抗すべく繰り出すネタも簡単に退治されてゆく。

ジャイアンツの川上監督からバットを何本もらったとか、岡崎友紀と付き合っていた人が誰々だとか、そこに吊るしてあるユニフォームは長嶋茂雄がいついつのゲームで着ていたやつだとこか、ボウリングをそれから何ゲームやっただとか、松田聖子の本名はこうこうこうでそのときから見いだしていたとか、河合奈保子の妹はもっと可愛かっただとかいう流れで、その合間に、おお、この会話はちょいと気が利いてやしまいか、こういう記憶のなかから小説が生まれるのだろうからメモしておいてくれ、というようなやりとりにも至っていたりした。

ようやくそのことを思い出したころには一日が経っていて、その気の利いた会話はいったい何だったのか、とんと思い出せないでいる。

だからごめん、僕は何も気の効いたことは覚えていないんだ、と安岡章太郎的に落ち込んでみたりしながらいま神妙にしている。


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# by k_hankichi | 2019-08-17 20:29 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)

『支配の構造』(堤未果、中島岳志、大澤真幸、高橋源一郎、SB新書)を読了。「国家とメディア~世論はいかに操られるか~」という副題がついていて、報道というものがいかに我々を操るのかということを明らかにさせている。

第一章では『ペンタゴン・ペーパーズ』について。メディアがベトナム戦争を終結に導いたことについて記している。しかしその後、政府はメディアに対して様々な制限をかけてゆく。

ウィキリークスのアサンジや、元CIAのスノーデンなどは、『ペンタゴン・ペーパーズ』のときのメディアと同じなのに、今や糾弾される対象になってしまっていることを構図として明らかにさせている。

日本も負けておらず、メディアに対して政府は様々な手段で手なずけ、また規制をかけてきている。「森友忖度問題」も同じような構図にさせている巧妙さ。

第二章ではメディアによるポピュリズムの恐ろしさをつまびらかにさせる。そしてそれをいかに防ぐかを語る。

最終章は、『華氏451度』について。レイ・ブラッドベリが記したのは、本を燃やすようにはせていったのは、せいふでもなく役所でなく、人々がみずからそういう世界にさせていったのだということ。『1984』のような政治が全体主義体制を強化して人々を操っていったのではないのだということ。だからなおさら怖いのだ。

何度も目を通し自分のなかで考え、しっかりと芯をつくっていきたいと思う一冊だった。


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# by k_hankichi | 2019-08-16 07:08 | | Trackback | Comments(2)

偶然手に入れたそれは、バッハのスコアが刷られたハンカチーフだった。「手捺染(てなっせん)」という手刷りの方法で作られていてなんとも味わいがある。

バッハのアダージョ。はて何の曲のどの部分かなあと思いあぐねた。そしてそれが無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番の冒頭だと判ったのは少し経ってからだった。

ハンカチとして使ってしまうのが惜しいこの一枚。額縁に入れて飾っておこうかと思うほど。

心の奥底まで沁み入る、しずかな音色が聴こえてきそうだ。


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# by k_hankichi | 2019-08-15 16:41 | 街角・風物 | Trackback | Comments(3)

柔道をモチーフにした小説を高樹のぶ子が出した。びっくりして思わず買い求めたら、想像通りの高樹さんの世界に満ちていて、温めの温泉に心地よく浸かり続けるような感じで、身体も心もたおやかになった。『格闘』(新潮社)。

章立てを眺めただけで、ちょっとドキドキする。その通りの展開になるかと思えば、そうでもなく、だからそれはひかえめな高樹調なので改めて安心する。そして、まだかまだかと期待に溢れていく。

第一章 出足払
第二章 浮腰
第三章 両手刈
第四章 腕挫十字固
第五章 裸絞
第六章 大内刈
第七章 袖釣込腰
第八章 金次郎返し

感情の赴くに任せて突き進んでしまいそうになる。

その自分のことをふと客観的にみつめるもう一人の自分。

ぎりぎりのところで帰ってくる。

諦めは続くようで続かない。

記憶が思いを誘発する。

またどうしようもなく互いに求めてゆく。

恋愛というものはそういうものだ。うまくゆきそうでも、そうは問屋が卸さない。

このところ毎日の猛暑を、袖釣込腰で一本勝ちでやり込めることができた。爽快な一冊だった。


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# by k_hankichi | 2019-08-14 23:53 | | Trackback | Comments(3)