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集めて繋げた時間旅行

古本屋から映画館、純喫茶からジャズ喫茶、食べ物屋から飲み屋まで、広く深く書き綴ったエッセイ集だった。『東京 時間旅行』(作品社)。

オリンピックで東京の街が変わったのではなく、荒廃した街を再生すべく、市街のデザインや使い勝手、暮らしのインフラを整えるためにオリンピックが招致された、ということも史実に基づき紐解かれてある。

さすが鹿島さんだけのことはある。さまざまな紙面に書いてあった幾つかのエッセイの寄せ集めだけれども、集めて繋げるということにも意味はあるのだと思った。

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by k_hankichi | 2017-10-27 18:12 | | Trackback | Comments(4)
シャーデーのファーストアルバム『ダイヤモンド・ライフ』が静かに流れていた。気になるかならないかのぎりぎりの音量で、それは静かな空気にしっくりと合っていた。

左隣に座っていた老齢の男が口を開いた。

「マスター、今年は阪神、もう少しやったね。」
「そうやな、あかんかったな。藤浪なんか20勝してもおかしゅうないんやけど、3勝やからな。どないしてるのやろね。」
「そういえばハンケチ君もそうやな。」
ハンケチ君、そうやそうや。彼はな、何がわうなったか分らんちゅうて、そしたら結局、高校時代の自分のピッチングのビデオを観て直してるうて。そしたら、あのころは腕がピシッとなっとった、やて。分からんのやなあ。」
「そういえば今日はあれやな、ドラフトやな。」
「清宮、どないなるやろな。」
「堀内とか江夏のとき、思い出すわ。何球団が手え挙げたやろ。ぎょうさんや。」
「そやなあ。」

京都駅の目の前に、そんな長閑な時間が流れる喫茶店があった。サイフォンで淹れるコーヒーはとても旨く、トーストとサラダ・卵も期待以上で、これからの定番のお店にしたくなった。

マスターが渋いダンディな男であることは言うまでもない。

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by k_hankichi | 2017-10-26 07:20 | 街角・風物 | Trackback | Comments(3)
台風一過の青空に夢を託したくなった。「希望」を託す、とは金輪際書くまい。

西に向かう列車の車窓からは、富士が冠を被ったりしている。眼下の富士川は水面がひたひたと満ちていて、降雨の凄さを物語る。

今日は新しい明日に向けた一歩の始まり。

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by k_hankichi | 2017-10-23 09:31 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)
活字がなかなか追えずにいた。二週間かけて、一冊の小説を読んだけれども何も頭に入らなかった。

作品は短篇集で、それはよい感じのものなのだが、それでも頭に入らなかった。

どうしたものか。

選挙の開票速報に、ただただ虚しさを感じ、ああ、この予感がああさせていたのかな、と思い当たった。

今は、シューベルトの弦楽四重奏曲 第14番ニ短調を繰り返し聴いている。

そして虚しさのなかに一縷の光を探す。

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by k_hankichi | 2017-10-22 21:20 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(4)
『アズミ・ハルコは行方不明』を観た。→http://azumiharuko.com/

蒼井優がこれほどまでに、遣る瀬無くたたずむ映像はこれまで観たことがない。『花とアリス』での彼女が「可憐という言葉の具現」だったとすれば、こちらは「喪失という姿の残像」とでも言えるだろう。

人は、生きている中でこういう心境に一度や二度、いやあるいは何度も何度も陥ることがある。

そこからどうやって帰還できるのか。これは観客がそれぞれの居場所の喪失(行方不明)から、主人公を透かして自らの記憶を辿って回帰する作品だった。

■キャスト
安曇春子:蒼井優
木南愛菜:高畑充希
富樫ユキオ:太賀
三橋学:葉山奨之
曽我雄二:石崎ひゅーい
今井えり:菊池亜希子
■スタッフ
監督:松居大悟
プロデューサー:枝見洋子
原作:山内マリコ
脚本:瀬戸山美咲
主題歌:チャットモンチー
■製作
2016年、日本、配給:ファントム・フィルム

■映画トレイラー
■喪失からの帰還へ。
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by k_hankichi | 2017-10-21 17:15 | 映画 | Trackback | Comments(4)
この世も末なのかと思って眺めていた。街頭でのテレビである。

鬼に扮した立候補者が出る世の中になってしまったと知り、愕然としていて、佇みながら映像を眺めていたら、なんと当選したという。

なになに?投票は日曜日で開票はそのあとだろ?もしかして無投票当選なのか?

ああ、本当に末期的だ・・・と目を瞑った。

しばらくすると、また同じ映像になっていた。こんな報道をいつまで繰り返して流しているのだ、と怒りをこめてテレビディスプレイを睨んだ。

そしてわかった。新しいゲームソフトウエアのコマーシャルなのだということを。

しかし・・・。

現実の選挙もこれと同じ次元なのかもしれない。

さらに怖くなった。

■魔王ちかおの演説 →https://youtu.be/qnLaj4PG2qc?t=42s
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by k_hankichi | 2017-10-20 07:40 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)
やはり日本のごはんは美味いとつくづく思う。そして、最近の拙宅ではそれを鍋で炊いている。

朝に米を洗い少し放置してから、そのままガスコンロの自動炊飯モードをスタートする。

始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな。最近のガスコンロは、それを上手にやってくれるのだ。

電気炊飯器のような保温モードはないのだけれど、余ったごはんは冷蔵冷凍しておけばよいだけだ。

電気炊飯器を使わない生活で、なんだか逆に、心が温かくなった。

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by k_hankichi | 2017-10-19 07:37 | 食べ物 | Trackback | Comments(2)
◯◯◯ネン、という苗字がフィンランド人たちに多いことは知っていたけれども、実際にその国からきた人に会ったのは先週の出張のときが初めてだった。瞳は透き通るような灰色で、髪は美しくうねる金髪、「ああこれはオオカミ」、と思わず言いそうになって押し留める。

しかしすぐに次の言葉が出てしまった。

「カレワラ、ホームカミング・レミンカイネン、ハウス・イン・アイノラ・・・。」

相手の頬がほっと緩んだ。

「シベリウス  ハ  タカラデス。モースト  ビューティフル  ミュジーク。マインド  オブ  マイ  カントリー。」
(というような言葉の英語)

満面の笑みになった。そこからはら一緒にいた人たちの、何、何、それは?という訝しい問いを無言で弾き退け、彼女とシベリウス談義に花を咲かせた。

冷え込みが募り始める昨晩や今朝、そのことを思い出しながら、だからシベリウスを聴き続けている。

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by k_hankichi | 2017-10-18 06:35 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)
映画のように楽しめる機内安全インストラクションに出会った。

こういうときには、不快な気持ちが一気に、払拭され、なにか清々しいまでになる。流石エンタテインメントに力を注ぐ国だけのことはある。

普段は碌に目を向けず耳も傾けない僕だけれど、ついつい見入ってしまった。

一長一短、誰にでもある。どの国にもある。短気になって、ヤケになって、関係を断とうとしてもどうしても付き合い続けなければならないのだから、良いところにも気づいてあげなければ。

■このビデオです。
https://www.youtube.com/watch?v=2HWaaaFcdmQ&feature=share

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by k_hankichi | 2017-10-16 07:03 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)
夢をみていたかのようだった。そしてたしかに誰も彼もが夢を見ていた。

誰もが成功することを夢見るだけならば良いのだけれども、沢山の人が他者よりも少しでも儲かることに知恵を張り巡らし、ときには大法螺を吹いてでもやり通そうとする。

法螺は法螺として分かるのならば可愛いげがあるが、アドバイザーやら学識専門家までもかつぎ出して、その商売やら製品や、技術、システムやらまでをも賛辞して、また、「今後のトレンド、今年のブーム」やらまで捻出して、みなで一斉に囃し立てる。

一般の人や、ある程度訳知りな人までも、それに乗って投資したりしてしまい、まだの人たちも焦って同じく投資する。会社がそれをやってしまうときまでもがある。

夢は価値に変わり、価値は利潤に変わるのだけれど、値上がりしつづけた暁に何があるのかは、これまでの歴史が物語っている。だから、最後の最後にはある事が訪れる。

それが明らかになる前に上手く売り抜けた人は勝ちになり、演劇なのだと見破ることが出来なかった人たちは負けになる。そして、勝った人たちはまた勝ちたいと思い、負けた人たちは、今度は自分らは上手くやってやると考える。

知恵を良い方向に使って欲しい。平穏平静なる世の中になるように目指して欲しい。

しかしそうは問屋が卸さない。

その国から帰ってきて、ほっと一息ついていると、この母国までもが、その国に倣っているような気配が伝わってきた。

立憲民主の言葉がとても大切に響いている。静かにしかし、しっかりと響け。

■日没はどこにでも訪れる。
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by k_hankichi | 2017-10-15 16:14 | 社会 | Trackback | Comments(4)

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by はんきち