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煉瓦と石の上に煉瓦と石

先週、ベルギーの地下遺構をみた。煉瓦と石の街のしたにある煉瓦と石の街である。地下駐車場を町の中心に作ろうとして発見されたそうだ。

日本の感覚であればせいぜい瓦礫の破片やら燃えかすが残っているくらいだろうと思うわけだが、あちらは違う。建物の壁も床も煉瓦だからそのまま残っている。

建物を立て替えようとせず、そのあたり一帯を土で埋めてからその上にまた街路や家屋を築いたようだ。だから昔の家の間取りから何からそのままわかる。落書きまで分かるくらいだろう。

欧州の歴史は、記憶を風化させない。過去を積み上げて現在に至ることが身近に纏緬としている。水に流す国とは異なる濃厚な血の系譜を垣間みた。
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by k_hankichi | 2011-10-31 07:31 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)

お面の続き

骨董品や古本、食器、家具装飾品、衣類など種々雑多なもののあいだに、なんどもなんどもこのアフリカの装飾品売りが、ならべているのに出くわす。

たしかにいちど被ったら、もうこのお面は外れなくなるような気がする。あそこでおしとめておいて良かった。帰国途上の機内で相当にうなされたのだけれども、それだけで済んだようだ。
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by k_hankichi | 2011-10-30 16:26 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)

遠き大陸からのいざない

朝からブリュッセル市内のジュ・ド・バル広場(Place du Jeu de Balle)という場所にでかけた。蚤の市だ。そこに入った途端、なにか非常な濃い息遣い、鋭くぎらぎらとした目線と混沌としたもののなかに取り込まれてしまった。

売り手の、アフリカ系、トルコ系、あるいはチュニジアなのだろうか北アフリカ系のような人たちが、さまざまなものを地面に敷いたシートの上に並べている。買う人がいるのだろうか、と思われるような古着、靴、杖、錆びた食器、シャンデリアの破片、古い写真やだれのともとも知れないアルバム、そして、どうやって運びこんだのだろうかわからない家具や冷蔵庫などまで、おそろしく大量のものが売り出されている。

あまりの量塊の多さに、圧倒される。それぞれの売り手は、となりあった区画と見えない境界線をつくりながら、かろうじてすれ違うことができるほどの通路にまで売り物を並べ溢れさせている。

ある区画で僕の目は釘付けになった。アフリカのお面だ。それぞれの顔はこちらを睨んでいる。遠く大陸の地に僕をいざなっている。そのお面を顔につけたとたんに、僕は彼らの術中にはまって、その地に時空を超えて移動しているだろう。

遠き大陸からのいざないに、ぼくは、もうすこしでそのお面をかぶろうとしていた。
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by k_hankichi | 2011-10-29 23:21 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)

まだ観ぬけれども・・・『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』

ベルギーに国民的に有名な(というか全欧州的に有名な)漫画がある。少年記者タンタンと愛犬スノーウィによる冒険もの『タンタン』シリーズ。こちらの人と食事をしていると、かならずこの話がでる。日本でいえば、ポケモンみたいなものか。とにかく、すごく有名で、かつ誇らしげだ。

その漫画がこの秋公開されるということで、その熱狂ぶりはただものではない。スティーヴン・スピルバーグが製作にあたっていて、それもあわせて入れ込みに力が入っている。日本でも12月に公開されるらしいから、こころのふるさとを知るがためにも、ちょっと見てみようかなあ。邦題は『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』だ。

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宣伝はココ→http://youtu.be/xz3j8gKRUTg

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by k_hankichi | 2011-10-28 06:05 | 映画 | Trackback | Comments(2)

石畳の紋様

ベルギーの石畳の積み方はさまざまだ。しかしなんといっても、美しいのは、円弧の紋様を描くようなものであり、そのなかには、はるか中世の建築家のさまざまな試みと工夫が隠されているような気がする。

正確な正方積みにくらべて、円弧積みは、実はとても難しそうで、どこでどのようにつじつまを合わせているのかは、いくら眺めていてもわからない。職人の長年の感覚でつぎつぎとその美術のような積み方が身についているのだろうか。

夜の石畳は、微妙な凹凸と石と石のあいだの溝が織りなす陰影がとても濃く、その狭間からは、中世の人々の足音と、そのうしろに響く教会の鐘の音色が聴こえてくるようだ。

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by k_hankichi | 2011-10-27 16:00 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)

石畳と壁から立ちのぼる系譜

夜のブラッスリーは、どのテーブルも若者たちがビール片手に、わいわいとおしゃべりを繰りひろげる。おつまみなど頼んでいるひとはおらず、ただひたすら杯を傾け続けている。

そんななか、窓の外のマルクト広場は、ちょっと薄暗く、しかしそこに照らされる建物や人々の姿は、まるで幻燈をみるようである。欧州の夜の明かりは瞳が黒い東洋人にはうす暗い。しかしそれが灰色だったり銀色だったりする彼らにはちょうどよい明るさらしい。ついさっきまでそこで飲んでいた若者たちは、こんどはまた、外でたたずみながら話つづけている。

夜のとばりが下りるころ、石畳と壁から欧州の歴史の系譜が立ち昇ってくる。

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by k_hankichi | 2011-10-26 12:27 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)

ベルギーの学生たち

この街には、エリートのなかのエリートの学生が集まっている。朝はまだ暗い7時ごろから、みな自転車で学校に向かう。僕はその群団をときに横目で見、追い越しをさせながら、仕事場に向かって歩いてゆく。同行した者たちが体力に限界を感じるなか、僕は、颯爽と歩き続ける、そして冷たくそして凛とした空気をかみしめる。

石畳を急ぐ若者たちをみると、この国のこの街の、学問への真摯で深い思いと活力を感じる。若者が若者らしく将来を夢見ることができる国。それがこの国なのだと思った。

もはや若くはない僕らの世代が、僕らの国に対してできることは、さまざまな国の人たちとの相互理解を通じた協調や協力、しくみの構築ということくらいかと思う。果てしなくいろいろな課題はあるけれども、すこしでもなにか寄与できるとよい、と異国の若々しい息吹に触れて願いに近い気持ちが湧く。
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by k_hankichi | 2011-10-25 06:53 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)

『遅読のすすめ』を堪能する

友人が薦めていた山村修の『遅読のすすめ』(ちくま文庫)を機中読んだ。じつにしみじみと読書のたのしみを語っている。我が意を得たり、ということそのものだ。

そしてあるページまで来たとき嬉しくなった。吉田健一の長編エッセイ『時間』が引用されていた。さらに嬉しかったのは、出張鞄にまさにその本もしのばせていたからである。

山村さんは、

“冬の朝が晴れてゐれば起きて木の枝の枯れ葉が朝日といふ水のように流れるものに洗はれてゐるのを見てゐるうちに時間がたつて行く。どの位の時間がたつかといふのでなくてただ確実にたつて行くので長いのでも短いのでもなくてそれが時間といふものなのである。”

というところからひも解いてくれている。

欧州にきても吉田さんの書は心に響き、でもこの地だからこそ彼の心がそこらあたりの空気に混じって漂ってくるようなわけで、今度の出張はだからそういう感覚を保持できるかもしれないと思うとさらに嬉しくなった。

こちらはいま夕方の6時。暮れゆくフランクフルトエアポートの空はどんよりと倦怠感が漂うが、明日の朝には凛とした石畳から立ち込めるヨオロッパ独特のちょっと湿ってしかし鋭い空気が待っているに違いなく、そのことを思うだけで気持ちが昂ぶってくる。

増補 遅読のすすめ (ちくま文庫)

山村 修 / 筑摩書房

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by k_hankichi | 2011-10-24 01:14 | | Trackback | Comments(3)

旅にむかうとき、ちょっと寂しい不安な気持ちになる

朝はやくから仕事で成田に向かっている。欧州空路をまたたどる。

なんど向かったのか分からぬが、日本を離れるとき、ぼくは寂しいきもちになる。そして初めてこの路に向かったときのことをいつも想いだす。

それは大学4年の冬だった。往きたいよなあ、という夢を語っているうちに、行かざるを得ぬ、男が一度口にしたら逃げられぬ、そんな感じで自らの弱虫を押し込めながらの決断だった。

寒い2月の朝。空港には友人一人が見送りにきてくれた。まだ飛行機にも乗ったことがない自分は、とても心細く、しかしそれを悟られまいと、友人と滑走路を黙って眺めていた。

大韓航空でソウル、アンカレッジとたどって降り立たったのはパリだった。友人からの教えに沿って、サンジャック通りの、風呂もシャワーもない、しかし窓からアパルトマンの裏庭やレンガ色の煙突の列が空に欠伸している小さな部屋に投宿した。一泊2000円もしなかった。

部屋には、これは意外に小綺麗なベッドと小さなタンス、木机と椅子、水洗トイレがあるだけで、まるでセザンヌが描いた室内画のようだった。

それから三週間。まいにち翌日はどうするか決めていない、宿も決めぬ旅が始まった。出会いと驚きの連続。それは今にも続いている気がする。

だから旅にむかうとき、ちょっと寂しい不安な気持ちになる。
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by k_hankichi | 2011-10-23 07:26 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)

『蜜の味~A Taste Of Honey~』にひそむ予感

今秋のテレビドラマは、ぱっとしたものがあまりなさそうだが、『蜜の味~A Taste Of Honey~』(フジテレビ)だけは少し気になっている。

第二回めまで、録画したものを観たが、展開の早さのなかにこのあとにひそむ怖いシーンを予感する。

インターンとして医者の修行中の雅人(ARATA)は、姪の直子(榮倉奈々)に想いを寄せられている。それを察知した恋人の彩(同じく医学インターン中の才媛、菅野美穂)が嫉妬に駆られて結婚に走ってしまう。

直子は深く消沈する。雅人と近くに居たいがために同じ大学の医学生になったわけなので(簡単に合格してしまうストーリーの大胆さは韓国ドラマ張りだ)、自然と毎日のように顔を合わせることになり、悲しみはさらに募る。

しかし次回、結婚した二人の関係は、早くも醒めていくらしい。

直子は色っぽい女に変身して雅人の心を揺り動かしそうで、妻と彼女との間に挟まり優柔不断に振る舞うARATAは、なにをしてしまうのだろうか。

男なら知っている。だれしもこんなに揺れ動きながらもしてしまう心境を知っている。そこに禁断の愛が絡むから、怖いものみたさになる。彼らはどんな蜜の味をおぼえるのだろうか。

人は何故、禁じられたものごとを冒したい破りたい衝動に駆られるのか。それをしりたいと思うと、何故か朝から身体にうっすらと汗が滲む。
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by k_hankichi | 2011-10-22 09:18 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)


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