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『神の子どもたちはみな踊る』(村上春樹)

After the quakeと副題があることが、この時期なんとなく気になりこの短編集を読んでしまった。『神のこどもたちはみな踊る』(村上春樹、新潮文庫)。

「UFOが釧路に舞い降りる」…阪神・淡路大震災を知りながら毎日をそのまま過ごしつつあった男。一方でその惨状をTVを通して観るだけで東京を離れ離婚を決めてしまう妻。なにかを忘れていたことを、北海道という遠い地で初めて男は実感し、自分のこれからの生きざまについて考え始める。

「アイロンのある風景」…神戸から遠い茨城の海岸までたどり着き、流木を集めて日がな焚火をする男。死に方から逆に導かれる生き方というものがある、と彼はいう。“火ゆうのはな、かたちが自由なんや。自由やから、みているほうの心次第で何にでも見える。順ちゃんが火を観ててひっそりとした気持ちになるとしたら、それは自分の中にあるひっそりとした気持ちがそこに映るからなんや。”

「神の子どもたちはみな踊る」…三日前に母親が地震のボランティアで関西に旅立ってしまった。父親を知ることなく育った彼は、都心でその父の風貌に似た男を見つけあとをつける。もうすぐ千葉県というようなところでその男を見失った彼は、その地でその地面を踏みしめながら、神の子どもたちとしての踊りを踊りはじめる。

「タイランド」…神戸には若いころに捨てられた男が住んでいる。その男を三十年にわたって憎み続けた彼女は、男が苦悶にもだえ死ぬことを求めた。そのためには心の底では地震さえをも望んだ。しかし遠いタイの地で、彼女はリムジンの運転手からこう言われる。“でもいつも心をひきずっておられるように見える。これからはあなたはゆるやかに死に向かう準備をなさらなくてはなりません。…生きることと死ぬこととは、ある意味では等価なのです”。末尾に出てきたエロール・ガーナーの『四月の思い出』という曲を聴きたくなった。

「かえるくん、東京を救う」…神戸の地震のあとに東京に地震が起きるといきなり現れたカエルは予言し、そのために戦おうとする。すべての激しい闘いは想像力の中でおこなわれ、そこで勝ち、地震を阻止する。これはなんとも凄いシュールレアリズムだ。

「蜂蜜パイ」…西宮市の夙川の静かな住宅地で生まれた男。実家は裕福な商家で神戸の私立進学校から東京の大学の文学部に進んだ。好きだった彼女とは親友が結婚し、それにより鬱屈した日々を過ごすのだったが、その二人には破局が訪れる。男は迷うが地震が起こり画面に映し出された荒廃をみることで彼女とその子供を引き受けようと決意する。僕は神戸のその街の美味いドイツ菓子を知っているが、その味とこの小説のシチュエーションが重なってとても妙な気分だ。

震災という惨事を経験することで村上さんの小説が変わったのだ、訴えようとすることが明瞭になったのだということが、なんとなくわかり始めた。

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

村上 春樹 / 新潮社

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by k_hankichi | 2011-07-31 22:37 | | Trackback | Comments(2)

この児玉教授の提言を政府は早急に受けよ

ときおり拝見している方のブログに訴求されていたが、なかなか視聴することができずようやっと観た。世の中にきちんと報道されないことが如何にたくさんあるのか、ということを知った。きちんと政府の委員会で提言されていることが、少なくともいま購読している新聞は取り上げることすらしていない。衆議院TVというインターネットTVアーカイヴにその議事がある。ココ→http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41163

11年7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会
「放射線の健康への影響」参考人説明より
児玉龍彦(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)

漏出したエネルギー総量:
熱量にして広島原爆の29.6個分に相当
ウラン換算で広島原爆の20個分。

放射線の残存量(1年経過後):
原爆の場合1000分の1になるが、
原発からの放射線汚染物は10分の1にしかならない。

これが現実なのか。こういうことを何故われわれは知らされておらず、政策として直ぐに実行されず、産業界への要請もなく、法令での対応もされないのか。訴訟対応で避難させられている子供たちの避難場所のほうが、暮らしている場所よりも危険である場合もあるということなど、まったく知らなかったし、現在まだ残っている影響の度合いがこれほど大きく、そしてそれは拡散、濃縮されていくだろうことを知らない。

■同映像のYoutube版 ココ→http://youtu.be/eubj2tmb86M
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by k_hankichi | 2011-07-31 11:35 | 社会 | Trackback | Comments(0)

『それでも、生きてゆく』の心の機微に引き込まれる

『それでも、生きてゆく』(フジテレビ)は久しぶりに、何度もなんども観たくなるドラマだ。登場人物の言葉のそれぞれが実にしみじみとしていて、心の奥底のひだのようなところから気持ちが湧き出してくる。

妹、亜季を殺された深見洋喜(瑛太)とその子を殺したとされる兄をもつ遠山双葉(満島ひかり)は、初めてあった瞬間から惹かれあうものを感じていた。しかし、事件にまつわる懺悔と憎悪というそれぞれの家庭がもつ宿命のなかに、ふたりは互いの気持ちを抑え、というか無いがもののように扱い、それぞれの家族が持っているスタンス、もつべきスタンスのなかに沿っていく。

しかし、ふとした静かな静かな瞬間、周囲からの干渉や負っている宿命から解き放たれたような空間にあると、その惹かれあう気持ちがじわじわと湧き出していく。今回(第4回)はそれは駿府の山間にある湖のボートの上だった。

双葉:こういうところにいると、世界じゅうなんにもわるいことなんかなんにも無いような気がしてきます。
洋喜:悪いこと、なんにもですか?
双葉:過去も未来も世界じゅう、なんにも。悪いこと、怖い夜も、なんにも悪いことなしで。
洋喜:んー………。そういわれると、そういう気してきますね。
双葉:でしょ。
洋喜:じゃ、あれっすか、遠山さんも、普通の女の人です。
双葉:深見さんも、普通の男の人。
洋喜:僕らふつうのあれですか。
双葉:ふつうのあれですね…。
洋喜:それもいいっすね。
双葉:いいっ、かなあ。
洋喜:まあ…。
双葉:まあ…、ねっ。
洋喜:変な想像してしまいますね。
双葉:してしまいますね…。このままずっと…。
洋喜:でもそれって…、亜季も居なかったことになりますよね。
双葉:ですね。
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by k_hankichi | 2011-07-31 09:42 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)

『「おじさん」的思考』を読みながら、昔の夏を思い出す

蒸し暑い。家でクーラーはつけまいと決めた今年の夏は、たくさんの蝉の鳴き声が網戸を潜って耳に響き、そのわんわんする音にさらに暑さが倍加する。昔はこんな感じだった。大人になるまで部屋にクーラーがある家で生活したことはなく、だから夏場はいつも外からの風だけを頼りに暑さをしのいでいた。汗が額に滲むほどになってきたら、やかんで沸かした麦茶をガラス瓶に入れて水道水で冷やし、冷蔵庫に入れる間も惜しく喉に通した。涼をとるのは汗をかきつつ必死で作るかき氷や冷やした西瓜ぐらいしかなく、アイスクリームなどは却って喉が渇くから食べるなと親に言われてそのとおりだと信じていた。

そんな暑い中に寝転びながら読む本は、内田樹さんの『「おじさん」的思考』(角川文庫)であり、読み進めるほどにああそうだよなそうだよな、と嬉しがる。

“「適度に酒を呑み」「適度な運動をし」「腹八分目に食べて」というようなことを気楽に言ってくれる人がいるが、これは実に困難な要請であると言わねばならない。それは「適度」ということが人間の本性にそもそも反しているからである。経験から言えることは、「気持ちが悪くなるまで呑む」方が「控え目に呑む」より容易である。「腹十二分目に食べること」の方が、「腹八分目に食べる」より容易である。小田嶋隆はかつて「酒とは、呑んでいるときは『呑み足りず』、呑み終えたときは必ず『呑みすぎている』飲料である」と書いたことがある。酒について、これほど適切な定義を私は他に知らない。このような人間のあり方を私は「身体に悪いことをする方が、身体によいことをするよりも人間の本性にかなっている」というふうにまとめたいと思う。”(「「人類の滅亡」という悪夢の効用」より)

そして本当はこんなことよりも、次のようなフレーズに僕はずっと感銘を受けている。

“人間の欲望が照準するのは、モノやヒトではなく、「他者の欲望」である。私たち人間は「他者そのもの」を占有したり、「他者と一体化」することを望んでいるわけではない。そうではなく、「他者の欲望の対象となること」、「他者に欲され、愛され、承認されること」を望んでいる。この「他者の欲望を欲望する」構造がもっともあらわになるのはコジューヴの引いているように性愛の場である。エマニュエル・レヴィナスによれば、官能において私たちが照準しているのは他者の肉体ではなく、他者の官能である。一方他者が照準しているのは私の肉体ではなく、私の官能である。私は他者の官能を賦活し、他者の官能は私の官能を賦活する。”(「教育とエロス」より)

蒸し暑い昼に本を読みながら眠り、眠りながら汗をかき、おきあがったら麦茶を飲み、また寝そべって本を読む。僕の思考は暑さの中に混沌とするものの、たぎる血流は書物によって少しずつ冷まされていく。朝の時間に設定した目ざまし時計がいきなり鳴り出し、窓越しに空を見上げてみると、そこにはすでに夜の気配が近づいていることに気づく。むかし過ごした夏は確かにこんなだった。そういうこともしみじみと思い出した。

「おじさん」的思考 (角川文庫)

内田 樹 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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by k_hankichi | 2011-07-30 18:34 | | Trackback | Comments(4)

『胡桃の部屋』(向田邦子ドラマ)

久しぶりの向田邦子ドラマが始まった。『胡桃の部屋』(NHK/火曜ドラマ10)。

『阿修羅のごとく』で家族の葛藤や、表向きの平和のうらに凝縮した怨念の一連を描きぼくらを唸らせたが、同じように家族のそれぞれが持つ悩みと葛藤をひとつづつ抉りだしていく。

主演は松下奈緒。真面目にまっすぐに家族を守ろうとする姿勢は品行方正すぎて僕には受け入れ難い。しかしこれは向田さんだ。ドラマの後半でなんらかの波乱があるだろう。僕が好きな女優の変幻も楽しみ(長女役の井川遥、父を世話する女役の西田尚美)。夫に家出された妻役を演じる竹下景子にはこれまでの枠を破壊するような何ものかが秘められていそう。

家族は「胡桃の実」のそれぞれの部屋に逃げ込んで、表向きは一つの家族に見えながら硬い隔壁で秘密を隠し持つ、そんな現実が描かれるだろう。その隔壁を融解させるものは何か。きっとそれも用意されているだろう。なくてもそれに気付きたい。
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by k_hankichi | 2011-07-29 06:40 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)

酒に呑まれた本当の頭

その店は飲食店が詰まったごく普通のビルのなかにあり一見しただけではそれがハイボールの名店だとはわからなかった。店のなかはごく普通のバーの構造をしておりしかしウイスキーがつまった酒の瓶と瓶の間には酒に関する書籍が無造作に並んでいる。カウンターの前には豆類やおかきが硝子の容器に入って並べられており自由に食ってよいらしい。自分の家のなかにいるかのような雰囲気に不思議と心がやすまる。

欲しい酒はハイボールでありそれを告げるとバーテンダーはまたたくまに作り目の前に差し出す。その間30秒。

グラスのなかには氷はなくただ微かな泡の名残りが見え隠れする黄金がいっぱいに入っている。一口含めるだけでハッと目が開き脳髄の奥にまで突かれるような感動があふれる。柑橘類のなにかが加えられているように思うが味わったことがない種類のそれだから何だか竜宮城にいるかのようなきもちになる。

一杯は二杯に、二杯は三杯になるとそれは相当に良い気持ちになっており、そこを案内してくれた友と共に次の店に向かった。

店々をハシゴしていくうちにさらに気持ちが良くなり気付いたときには並木通りから一本隣の路の小洒落たビルのわきの地下にいた。そこもハイボールの名店らしく、これまた出されたグラスには氷はなくしかし黄金色の小さなさざ波が見えていた。泡のちからは弱くしかし酒はその主張を無言で問い掛けてくるようだった。

やがて時が過ぎたころには都合、夕べだけで七杯のハイボールと三杯の焼酎、二杯のビールを飲んだことになっていて、まさに酒に呑まれた頭が自分のなかでしなだれかかっていた。

銀座には酒の魔物が住んでいるようだ。
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by k_hankichi | 2011-07-28 07:48 | | Trackback | Comments(2)

『旨いものはうまい』(吉田健一、グルメ文庫[角川春樹事務所])

教えてもらって解説文からまず読み嬉しくなった。

゛「いい日本酒ほど水に近い」とは父の名言と言われているらしい。父がそう言っていたのはよく憶えていて、最初にその言葉を聞いた時からいつも、それは全くその通りで、色も味も水のように何気ない日本酒ほど高貴な酒はないのではないかと思っている。そして、よい日本酒が水に似ているということには異論が起こりにくいように思われ、父の前にも同じことを言った人はきっといただろうと思う。゛(『父の想い出』吉田暁子)

よい文筆家は良い遺伝子をもつなあ。
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by k_hankichi | 2011-07-27 17:32 | | Trackback | Comments(0)

朝から至福の旅に巻き込まれる頭〜『酒に呑まれた頭』(吉田健一)

朝からその本を読みながら、行ったことがないその地の、そしてぼくの友人が絶賛してやまないその街の光景が頭のなかやらまぶたの裏に満たされて幸せだ。そして続きがどんどんと自分の頭のなかに沸いてくる楽しさよ。

゛これが鰯を粕漬にしたもので、つまり金沢のこんか鰯である。内灘の鰯を何年か漬けたものだということで、その味と言ったらなかった。鰯もそんな風に大事に漬けて置くとそのまま一種の酒に変るかして、塩が利いている筈なのにも拘らず、箸で摘み始めると切りがない。一口毎に、食いしんぼうの天国に連れて行かれて、自分がまだそこの座敷にいることにやっと気が付けば、又一口、この幸福に浸りたくなる。酒の肴には絶好で、酒もよかった。どこのものかどうしても解らず、後でご主人に説明して戴くと、金沢の福正宗だったか、日栄だったかと、他の灘の酒を一種、調合したものだということだった。゛

こんなことを読んでいるだけで、いま乗っている電車を北千住やら南千住やらまで乗り越して、あの小津安二郎が愛した「尾花」の暖簾を朝からくぐり、まずはうざくを肴に美味い日本酒をぐいと飲みたくなる。

あるいは行き先を変えて行ったことがないその北陸の地に向かう列車にのりたくなる。汽車のなかでは持参したティオペぺというシェリー酒を呑みながら途中停まる駅ごとにその地の肴に箸を運ぶのに越したことはなく、呑んでいると車窓には電柱が次から次へと流れ、里山があらわれたり、あるいは突然きらきら光る水面に思わず目蓋を閉じるほどに旅に出ているという気持ちが沸いてくる。

汽車は時折停まるくらいが良く、戦前のフランス式の飯がでる食堂車がついていれば、ふらふらとそこに行ったら最後、鱈の魚を焼いたものやら、すこし甘辛いあじのするマスタードを付けたジャーマン式ソーセージを少しづつ摘みビールを飲むことに限る。

酒の肴は日本の魚介類を焼いたものや蒸したものや、そしてどのようにしたものか粕漬けにしたものもかえって塩味が利いていてまた格別である。

あれあれ、こんな頭になっていると東京市街の地下鉄やら山手線も至福に感じられ、だから吉田健一の随筆を読むのは止められない(『酒に呑まれた頭』、吉田健一、ちくま文庫)。

新編 酒に呑まれた頭 (ちくま文庫)

吉田 健一 / 筑摩書房

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by k_hankichi | 2011-07-26 07:27 | | Trackback | Comments(2)

主語泥棒について。「…は~(わ~)無いんです。」

週末買い物をしにいって違和感があることがあった。

ある種のものを探していたのだが、「○○○のようなものはありますか?」と店の人に尋ねると、十中八九、「は(わ)~無いんです」という答えが返ってくる。君はぼくの友達か?なぜ主語を間借りするように省略しおどけた顔をしタメ口なのか。どうしてそこで商談をぶち切り終わりにするのか売る気があるんか。なぜに代替の何かを提案しないのか。困った申し訳ない顔にもなっとらんのはなぜか。

せめて「すみません、そのようなものはございません」や「○○○はあいにく取り扱っておりません」、だろう。

人の問いかけの主語を盗るな。寸借はやめてくれ。君たちの店ではもう何も買うものか。だがそんなおやじはだから煙たがられるのかな。

「(おやじさんたち)は(わ)~、そういう傾向ありますね。いつも困ります。だから主語を盗っていじめちゃうんです。」

って声も聞こえるような気もする。
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by k_hankichi | 2011-07-26 00:34 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)

グレン・グールドの映像

ひとりの音楽家として、演奏の記録映像だけでなく、語り、散歩し、都会をながめ、歌う映像までもが残されている人はグレン・グールドぐらいではないだろうか。

これらにより演奏を通じてのみならず、彼の音楽への考え方や哲学までもが垣間見られるようになる。彼は記録媒体というものの効用を実に核心を突いて捉えていたのだと思う。

いまYouTubeなどにアップされているこれらの映像を見入るだけでも大変な量塊だが、すこしずつでもひもといていきたいと思う。

昨晩はカレル・アンチェル指揮、トロント響とのベートーヴェンのビアノ協奏曲第五番『皇帝』。ミケランジェリの代役で弾いたものだそうだが、朴訥なる意思を木版画に刻みこむような実に独特な演奏だ。さらにその姿勢の偉そうなことよ(オケだけのパートでは首を傾げて身体を弛緩させながら「聴くさ、お手並み拝見」というような感じ)。

いろいろな感興が湧く映像。なんだか語り合い飲み明かしたい輩だ。グールドよ、カッコいいぞ。
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by k_hankichi | 2011-07-25 06:46 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)


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