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カトリーヌ・ドヌーヴが出ている映画『隠された日記 ~母たち、娘たち~』(2009年、フランス・カナダ、監督:ジュリー・ロペス=クルヴァル)を観た。

祖母、母、娘と繋がっていく心の系譜が沁みわたる。カトリーヌの役どころはかなり主張の強い女性、そして、娘は仕事を生きがいにしていこうとするキャリアウーマン。フランスの女性の社会進出を扱ったストーリーなので、すこしとっつきにくいところはあった。

本当はカトリーヌをじっくり知ろうとしていたものの、マリ=ジョゼ・クローズという女優に惹かれた。二コール・キッドマンのような気品のあるこのひとの演技はひときわ光っていて、秀逸だ。ジュリアン・シュナーベルが監督した『潜水服は蝶の夢を見る』(2007年)にも出演しているそうで、これも観てみたい。

☆☆

隠された日記~母たち、娘たち~ [DVD]

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by k_hankichi | 2011-04-30 18:25 | 映画 | Trackback | Comments(2)

『シングルマン』

コリン・ファースが演じた『英国王のスピーチ』を観たいと思いつつ機会を逸していた。前年に主演した『シングルマン』('A Single Man')も良いらしいと知り、借りてきて観た。感情の流れがじわりじわりと伝わってくる一種独特な映像美だ。アメリカの映画にはこれまでにない細やかさと端正さを感じる。ストーリーは僕には苦手なものだったけれど、人のしぐさや目元口元の表情のひとつひとつのうつくしさというものを気づかせてくれる。人はどのようなところに感じ入るのかということが、自然に伝わってくる。

監督のトム・フォードは、グッチグループ全体のクリエイティブ・ディレクターもつとめた世界的なファッションデザイナーだということで、衣装や装飾品はもとより、髪型、建物、乗り物、小物などすみずみまで細やかな配慮がされ、そして全体のバランスとして統制感をもって繋がっていると思った。

彼はこの映画で、2009年のヴェネチア国際映画祭の男優賞、英国アカデミー賞 主演男優賞を受賞している。

☆☆

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by k_hankichi | 2011-04-29 19:25 | 映画 | Trackback | Comments(2)

かなしみを越えて

放射能量はベクレル
吸収線量はグレイ
人体影響はシーベルト
復興のつちおと高く
響けうたごえよ
ラジオアイソトープは遠くに去りし

(平成抒情小曲集)
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by k_hankichi | 2011-04-28 08:00 | | Trackback | Comments(0)
始まったフジテレビドラマ『マルモのおきて』の主人公の二人(芦田愛菜と鈴木福)の不思議な繋がりに気付いた。二人は昨年の日本テレビドラマ『Mother』のなかの児童養護施設、道南白鳥園のシーンでも共演していた。

実母に捨てられていたところを助けたことをきっかけに、擬似親子、そして本当の母親になるべく鈴原奈緒は、道木怜南を育てはじめたが、誘拐罪に問われ、二人は引き裂かられる。

道南白鳥園では同じような境遇の児童たちに怜南は温かく迎えられたが、そのなかの元気な男子と『マルモのおきて』で双子役になった。

両方のドラマともに親をなくした子供たちの物語だ。真っすぐに、優しく強く生きてほしいと念ずる愛菜ファンある。
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by k_hankichi | 2011-04-27 07:28 | テレビ番組 | Trackback | Comments(3)
ねむる鳥その胃のなかに溶けてゆく羽蟻もあらむ雷ひかる夜 (高野公彦)

逃げ遅れ叫ぶ夢より目ざむれば畳のうへに踏竹一個 (同)

あれはどこへ行く舟ならむいつ見ても真つ新なるよ柩といふは (同)

これらを種村弘さんは高く評価する。

一方、その同じ詩人はときおり生を限りなく有り難いものとして感受する心が、<私>のなかで<敬虔な判断停止>に結び付いているとする。

短歌的にもっとも機能するためには、この世界に対する判断停止を伴うほどの敬虔さが要求されるだろうかと疑念を呈している。そして詩人とは判断停止からもっとも遠い存在であるべきとしている。

二十一世紀の短歌における<私>の革新は、まず短歌の<私>のもつ二面性の意識化からはじまるように思われるとし、「生のかけがえのなさ」と<敬虔な判断停止>の間をなんらかのかたちで切断することが短歌や<私>の革新につながるという。

その試みに成功しない限り、現代短歌は近代短歌についに及ばないと結語する。(以上、(種村弘『短歌の友人』のなかの「<私>の革新について」より)

この言葉はずきんとくる。短歌だけではなくあらゆる散文や文学にも通ずるからだ。そしてもしかすると毎日のぼくらの社会生活や怠惰に埋もれる私生活までもが。
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by k_hankichi | 2011-04-26 07:56 | | Trackback | Comments(0)
その一台だけでオーケストラの音色を生み出すことができる楽器。パイプオルガンの演奏を聴けるチャンスはなかなか無い。BBC Music Magazineという雑誌の5月号の付属CDはバッハのオルガン曲集だった。

デイビッド・グードというオルガニストがフライブルグカテドラルのゴットフリード・シルバーマン製の楽器で弾いたもの。1714年という、今から300年も前にこんな楽器の音色を聴いた人々はどんな気持ちだったろうか。

神からの啓示を受けていると、深く深く信じその心をもって清貧なる生活を送ることをよしとしていたに違いない。

J.S.Bach great organ works
BBC Music Magazine Vol. 19 No. 8
Organ:David Goode

Toccata, Adagio & Fugue in C BWV 564
1 Toccata 6:10
2 Adagio 4:07
3 Fugue 4:28

Concerto in A minor (after Vivaldi) BWV 593
4 Allegro 3:59
5 Adagio cantabile 4:08
6 Allegro 4:02
7 Chorale prelude on ‘Schmücke dich, o liebe Seele’ BWV 654 6:56

Prelude and Fugue in B minor BWV 544
8 Prelude 6:57
9 Fugue 6:42
10 Chorale prelude on ‘Vater unser im Himmelreich’ BWV 682 6:46

Prelude and Fugue in G BWV 541
11 Prelude 3:09
12 Fugue 4:51
13 Chorale prelude on ‘O Mensch, bewein’ dein’ Sünde gross’ BWV 622 5:31

Passacaglia and Fugue in C minor BWV 582
14 Passacaglia 7:24
15 Fugue 5:46

Tracks 1-15 recorded on the 1714 Gottfried Silbermann organ in Freiberg Cathedral, Germany, 4-6 July 2010
Producer and editor John West
Recording engineer and CD mastering Mike Hatch
Registrant Oliver Condy
Cover The Gottfried Silbermann main organ in Freiberg Cathedral
total cd duration: 80:26

BBC Music Magazine ココ→http://www.classical-music.com/issue/may-2011
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by k_hankichi | 2011-04-25 07:57 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(1)
だいぶんと痩せて無精ひげなのに精悍とした顔つきで語りかけるスティーブ・ジョブズ。本の表紙を見ただけで惹きこまれてしまった。『スティーブ:ジョブズ 驚異のプレゼン』("The Presentation Secret of Steve Jobs"、written by Carmine Gallo、日経BP社刊)

僕らは人前でプレゼンテーションをするときに、上手くいく場合とそうではない場合があることを知っているだろう。僕はたいてい上手くいかない。そしてまたプレゼンテーション資料に文字が多すぎる、とよく言われもする。伝えたかったことを言いつくせないことがよくあり、また、いろいろ喋ったのに目前の相手の反応のなさにがっかりすることもある。

これらの源にはなにがあるのか。僕にはうすうすは分かっていた。どうして上手くいかないのか、その理由はおそらく分かっていた。でも、そこを言いあてられることがいやだったし、たいていは、その理由を人のせいや時間のせいにしていた。だがスティーブは違った。

トレードマークの黒いタートルネックで登場する彼は、プレゼンテーションに関して徹頭徹尾に周到な準備をし、そして充分な練習を怠らない。~人を惹きつける18の法則~とサブタイトルに記されているが、彼の法則をひも解くと次のようになる。

<ストーリーを作る>
1. 計画はアナログでまとめる。
2. 一番大事な問いに答える。
3. 救世主的な目的意識を持つ。
4. ツイッターのようなヘッドラインを作る。
5. ロードマップを描く。
6. 敵役を導入する。
7. 正義の味方を登場させる。

<体験を提供する>
8. 禅のこころで伝える。
9. 数字をドレスアップする。
10. びっくりするほどキレがいい言葉を使う。
11. ステージを共有する。
12. 小道具を上手に使う。
13. うっそー!な瞬間を演出する。

<仕上げと練習を行う>
14. 存在感の出し方を身につける。
15. 簡単そうに見せる。
16. 目的に合った服装をする。
17. 台本を捨てる。
18. 楽しむ。

これには参った。参ったし、しかしちょっと負けん気も出てきた。毛頭勝ち目は有るはずはないけれど、すこしは爪の垢を煎じて飲もうかという気になった。社会人生活、あともうすこしのなかで、これくらいのことをちょっとは工夫しないでやらないでどうするのか、と思った。

著者のHP→http://gallocommunications.com/

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則

カーマイン・ガロ / 日経BP社

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by k_hankichi | 2011-04-24 18:42 | | Trackback | Comments(0)

『東京ぶらり暗渠探検』

洋泉社ムックシリーズの1冊『東京ぶらり暗渠探検』を楽しんだ。ものすごいマニアックな本で、これに比べれば『ブラタモリ』は初級編と言ってよい。


神田川の支流の松庵川や東大下水(ひがしおおげすい)、そして笹塚支流(和泉川)をたどる。そうかと思えば、古川に流れ込む三田用水白金分水、白金三光町支流玉名川、新宿の玉川上水余水吐や、目黒川の支流烏山川までたどる。聞いたこともない川の連続だが、写真と地図を見ると、ああここは歩いたことがある、と思いだし、その曲がりくねった小道はやはり川の跡だったのかと思わずうなづく。

街角探検隊としての血が騒ぐとともに、ああこれはうかうかしては居られないと、あせった気持ちになっているところである。

東京ぶらり暗渠(あんきょ)探検 消えた川をたどる! (洋泉社MOOK)

洋泉社

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by k_hankichi | 2011-04-24 16:32 | | Trackback | Comments(2)

おちゃらか、おちゃらか

知人が紹介してくれたサイトに、この動画が載っていた。あまりにも可笑しいので、何度も涙流しながら観てしまった。猫が、おちゃらかおちゃらかみたいにじゃれあうところに台詞をつけたもの。マザーグースの子供と遊ぶときの歌、"Pat-a-cake, pat-a-cake, baker's man"だ。

台詞は猫の気持ちそのもののような気がしてくる。

Pat-a-cake, pat-a-cake, baker's man.
Bake me a cake as fast as you can;
Pat it and prick it and mark it with B,
Put it in the oven for baby and me.

ココ→http://www.youtube.com/watch?v=X3iFhLdWjqc


遊びの実演写真。→http://en.wikipedia.org/wiki/File:Two_young_men_playing_pat-a-cake.jpg
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by k_hankichi | 2011-04-24 09:52 | 街角・風物 | Trackback | Comments(0)

雨の歌

ブラームスの、雨を主題にしたバイオリンソナタは、あとから誰かがそう名付けたのだったか。雨を主題にした曲や歌は意外に多い気がする。

ショパンの前奏曲第15番『雨だれ』…さぞやパリの貴婦人は陶酔しただろうな。
井上陽水『傘がない』…高校時代の友人宅を思いだす。
ジーン・ケリー『雨に唄えば』…やぶれかぶれのとき僕はよく真似をする。
八神純子『みずいろの雨』…透明なる快感。
稲垣潤一『ドラマティックレイン』…レイン、ずぅーっと~♪”
小林麻美『雨音はショパンの調べ』…ちょっと日活ロマン系っぽい顔だったような気がする。
徳永英明『レイニーブルー』…最近好きだ。
丸山圭子『どうぞこのまま』…大学時代のクラブの先輩が好んで聴いていた曲であり歌い手だった。
CHAGE&ASKA『はじまりはいつも雨』…透明な曲想だが哀しい。
中西保志『最後の雨』…ああ、いいなあ。
バート・バカラック『雨に濡れても』…ロバート・レッドフォードの若々しさ懐かしい。あのちょっと妖艶な女優はだれだったろうか。
八代亜紀『雨の慕情』…手の仕草まで思いだす。

ああしかし古いなあ、ぼくは。そんな僕の、今日の雨に合う曲はなんだろう。
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by k_hankichi | 2011-04-23 23:14 | ポップス | Trackback | Comments(2)

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by はんきち