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友人との別れ

昨日の朝。大学時代の学友の一人が亡くなったという連絡を受けた。急激に周囲の物事が無色透明なものに変わった。

思い返すと、入学したときのクラス分けが一緒であり、麻雀を共にし、音楽が好きだということでいろいろ話をしはじめ、そのつながりで鑑賞クラブに誘い、3年次に選択する学科も同じになるという、近しくしていた友の一人だった。

実に素直な心の男だった。
裏がない。
欺くことがない。
無邪気である。
ストレートすぎてちょっと反感を買ったりする。
しかし憎めない。
子供の心を持ち続けている。
あまりに純粋すぎて怖い。

そしてまさにオットー・クレンペラーを推していた。そのころは僕はそれに異論を唱えていたが、最近になって彼の審美眼があったということが分かった。

もっと語り合っていればよかったと思うが、もう語り合うことはできない。

純真な人が早く逝く。この悲しみと空虚さと取り残された感覚は抗えない。

謹んでご冥福をお祈りします。
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by k_hankichi | 2011-03-31 07:52 | 一般 | Trackback | Comments(2)

BBC Musicがやっと届いた

Numabeさんが購読されているBBC Music。うらやましいなあ~と思いながら一年ぐらい過ぎ、ああやはり購読せねばと、この正月にBBCのWeb登録した。それからほぼ3カ月。ようやく、ほんとうにようやっと僕の手元に届いた。この間の紆余曲折は、欧州の会社やら人との付き合いそのものの、Never Ending Storyに近いままならぬやり取りであった。まあ、「彼ら」だから仕方がない。

さて、1月号を頼んで届いたのは2011年4月号であるその号の特集は、´The 20 Greatest Conductors of all time’だ。時代を率いる100人の指揮者による投票。レコード芸術誌の欧州版のような企画ではあるものの、しかしとても興味はそそられた。欧米の著名な現役指揮者が推すのは誰なのか?

とても腑に落ちる結末なのだけれど、それは、僕らが、高校3年生や大学1年生のころに出会った、あの指揮者なのだけれど、そしてそれは、だれもが認める、最高のベートーヴェンの第7交響曲を指揮した彼なわけだけれど、そうなんや、それは、そうやろうけんどもなあ、と、関西弁とも九州弁ともつかぬ言葉で応えたいような気持になった。

あれれまあ、欧州人は、やっぱり、彼を推すのですかあ、とクレンペラーファンの僕は、もうちょっと夢を見ていたかったただけに、その答えにまあ、当然にそうだろうなあと納得するとともに、音楽鑑賞というもののグローバルな共鳴性、共通性ということに感じ入っている今である。

それにしても「音のカタログ」のようなものを付録させる雑誌に対比して、BBC Musicが付録で届けるCDの充実の極みは何なのだろうか、と思うのだった。今月号の付録は、次である。雑誌込みで800円にも満たないこの僥倖に、僕はただ恍惚となるいっぽうである。

■マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」
演奏:ドナルド・ラニクルズ指揮、BBC交響楽団、エジンバラ音楽祭合唱団、ロイヤルスコティッシュ国立オーケストラジュニア合唱団。エリン・ウォール(so)ほか。
録音:2010.9.4、エジンバラ音楽祭、アッシャー・ホール。
音盤:BBC Classic、Vol.19-7。

恐るべきかな、英国魂。
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by k_hankichi | 2011-03-30 01:47 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(2)

ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ『ホワッツ・ニュー』

大学生のころ、LPをよる夜中にかけながら、安物ウイスキー片手に仲間と語り合っていたころのことを思い出した。そのころ必ずかけていたのがビル・エヴァンスであり、深く深く聴き入れば聴き入るほどに、じぶんらと社会とのつながりを忘れていた。

そして社会に出る不安をどこか雲散霧消させていた。あのころ、そのなかまたちは皆、互いにじぶんらのことを、社会や経済活動とは無縁な役たたずだと思って違わなかったから、ビル・エヴァンスはそういった感覚と重なって心に刻まれている。

ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ『ホワッツ・ニュー』というCDを街で見つけて、いま聴いている。ストレート・ノー・チェイサー、ラヴァーマン、フワッツ・ニュー、枯葉、タイム・アウト・フォー・クリス、スパルタカス、ソー・ホワット。

音楽が忘れていたシーンを思い出させてくる。不思議なる時間。

ホワッツ・ニュー

ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ / ユニバーサル ミュージック クラシック

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by k_hankichi | 2011-03-29 07:59 | ポップス | Trackback | Comments(2)

フェイスブックに絡みとられるところと固辞したいところ

フェイスブックを使い初めて一週間あまりが経った。はじめは冷やかしのつもりでいたが、だんだんと絡みとられてきている自分に気付く。いつのまにか、あれよあれよというまに、自分でもおかしいとは想いながら、まんまと、というやつだ。

これが、あのフェイスブック効果というやつなのか。絡みとられるのか活用するのか、あらがうのか、このさきはどうなるのかわからない今である。

折り合いをつける、日本人的決着に持ち込むのだろうか。ひとごとのように不思議なる世界。
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by k_hankichi | 2011-03-28 07:58 | 社会 | Trackback | Comments(2)

ロッサノ・スポーティエロ・トリオによるシューベルト

この曲の並びをみて、だれの演奏?と思うだろう。

[1] アルペッジョーネ・ソナタ 第1楽章
[2] 最初のワルツ
[3] アルペッジョーネ・ソナタ 第2楽章
[4] 楽興の時 第3番
[5] 音楽に寄せて
[6] ます
[7] 野ばら
[8] セレナーデ~「白鳥の歌」より
[9] 子守歌
[10] 菩提樹
[11] 4つの即興曲 第3曲
[12] アヴェ・マリア

ジャズトリオによる演奏なのである。こんなにまで、心行くまで身体と気持ちをゆだねられるシューベルトがあるとは。スイングするシューベルトの爽快さよ。

ロッサノ・スポーティエロは、イタリアのミラノ近郊に生まれたジャズピアニストで、現在ニューヨークで彼の名をつけたトリオを組んで活動をしている。ベースはジョエル・フォーブス、ドラムスはチャック・リグスだ。

しかしシューベルトがこんなにもジャズに合うとは知らなかった。スイングできるとは知らなかった。この災害の時期、シューベルトをスクエアに聴き通す精神的な余裕がないだけに、この演奏を聴くことで、実際にいまが早春の爽快なる夕べにあることを思わず悟った。

録音:2010.11.26-27、New Jersey録音。
音盤:Swing Bros CMSB28030

シューベルト・イン・ジャズ

ロッサノ・スポーティエロ・トリオ / スイングブロス

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by k_hankichi | 2011-03-27 18:57 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(2)

ペルトの『鏡のなかの鏡』

買ったCDにリサ・バティアシュヴィリとエレーヌ・グリモーの競演が入っていた。リサのドイツグラモフォン移籍後の初顔合わせ。

曲はペルトの『鏡のなかの鏡』とラフマニノフの『ヴォカリース』。ペルトのこの曲は初めて聴くのだけれど、岩にせせらぎの雫が静かに染み入るようだ。二人の控えめながらしっかりと相手に寄り添うような演奏が素晴らしい。『ヴォカリース』もその延長線上にある。ショスタコーヴィチを聴いたあとの心の緊張を、ゆっくりとゆっくりと解きほぐしてくれる。

時の谺(こだま)

バティアシュヴィリ(リサ) / ユニバーサル ミュージック クラシック

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by k_hankichi | 2011-03-26 11:33 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)

『フェイスブック 若き天才の野望』(デビッド・カークパトリック著)

先週からこのサイトに入り込み掛けている。「フェイスブック」だ。一年ほど前に友人から招待を受けていたが、登録しただけでほったらかしていた。

しかしこの災害に際して別の友人が、連絡がついた唯一の方法だったと漏らしていたことからはっとして、繋いでみることにした。趣味趣向を入れる欄や学んだ場所などを入れていく。個人情報なんかどうして必要?と思うものの、それにより旧友や知人との繋がりが拓けていく(復活もしていく)。

その広がりかたは自分でコントロールしているようでしていない摩訶不思議な感覚だ。ウェッブとはだいぶ異なるのだ。

この謎を解きたくて、売れ筋に乗り始めたこの本『フェイスブック 若き天才の野望』(日経BP社)を読んだ。むさぼるように読まされた。圧倒的であり爽快だった。学生間での自己顕示の場が発端だったこのソフトウェアは、マーク・ザッカーバーグという稀代の天才によってまたたく間に成長し変貌を遂げていった。

このノンフィクションは、変革しつつあるこの数年という時代を表している。読んで、そして一方でソフトウェア自体に触れながら、だんだんとさらに自分がこの変革にまさに同期している感覚を味わう。

この仕組みは何なのかを知るには、ザッカーバーグが何を考えて来たかに触れねばならない。それがわかったところである。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

デビッド・カークパトリック / 日経BP社

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by k_hankichi | 2011-03-25 22:09 | | Trackback | Comments(1)

寒の戻りの厳しさのなかにも、美しい姿勢に感じ入る

昨日も今日も、雨とも霙ともつかないものが降っていた。雹までも降っていたらしい。

電力節減で建物の空調も十分ではなく、ビルや商店の照明も落とされて街は暗い。東北の人たちを考えればこれくらい我慢できる。

今朝のテレビでは、神奈川の中学生たちが自分たちで考えて、被災した人たちに、食料や身の回りの必要な物資を送るところが報道されていた。きちんとお見舞いの手紙をしたためて。

はきはきと気持ちを語る中学生たちの顔立ちは、たとえようもなく真摯で神々しいほどだった。見とれていたら、思わず涙がじんわりと溢れた。
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by k_hankichi | 2011-03-24 21:10 | 社会 | Trackback | Comments(2)

バティアシュヴィリによるショスタコーヴィチ

震災のあとに初めてCDを買い求めた。リサ・バティアシュヴィリによるショスタコーヴィチのバイオリン協奏曲第一番。このほかにカンチェリ、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフ、パルトの小品が入っている。「時のこだま」(Echos of Time)という副題がついている。褪色しかかったカラー写真のジャケットが象徴的だ。廃線になった鉄路が草原にどこまでも続くなかに彼女はこちらを振り返り佇む。

この協奏曲をきちんと聴いたことがなかったのだが、第一楽章のノクチュルヌの何と美しいことか。諦観と静かなる息遣いが透き通って響き渡る。

有名な第二楽章(スケルツォ)。激しすぎず叙情を品性を保った弾き込みだ。俯瞰的に醒めている。暖かいとまで言ってよいかもしれぬ。

第三楽章(パッサカリア)、第四楽章(ブーレスク)。すべてを分かってるよ、安心してね、と語り掛けるようだ。

時代を変革しようとした祈りは、いまのこの危機になぜかよくマッチする。

時の谺(こだま)

バティアシュヴィリ(リサ) / ユニバーサル ミュージック クラシック

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by k_hankichi | 2011-03-23 07:41 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(2)

まだまだ揺れる

神奈川の辺地でも、今日もまだまだ揺れる。なかなか収まらないこの自然だけれども、何とか克服していきたい。
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by k_hankichi | 2011-03-22 22:49 | 社会 | Trackback | Comments(0)


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