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一つ曲だけを聴き続ける

昨日から、一つの曲だけを聴き続けている。モーツァルトのレクイエム。

普段であれば、この曲を繰り返し聴くことは、大変、苦労するのだろうが、今は、全く苦にならない。

気が弛みそうになる自分、楽に過ごそうとする自分、そういう状態から、きちんと離し、自らを正視することができるからだ。

一人の天才によって、一つ一つの旋律が、天に向かって、魂に向かって、染みわたるように流れていく。

この曲の意味、この曲が言い表わそうとしていることは、自分で考えるしかない。
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by k_hankichi | 2010-07-31 10:21 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)

心が音楽を求めるとき

心が真に、けがれなき音楽を希求することがある、ということを痛感する。

いまがまさに…。

求めたい。救いを求めたい。

カール・シューリヒト/ウィーンフィルハーモニーによる、モーツァルトのレクイエムK626の音にすがっている。1962年6月19日、ウィーン・シュテファン大聖堂でのライヴ録音。

厳しく、哀しい。

救われよ。高く、高く、美しく、浄く、純に。

独Archiphon, ARC-4.1 http://www.archiphon.de/archiphon_catalog.htm
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by k_hankichi | 2010-07-30 07:09 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)

奇跡に遭遇…猛暑のなかの至福

今日は朝から雨。湿気が堪える。しかし、心は爽快。

昨晩、会社からの帰りがけ、何気なく立ち寄った、いつものCDショップ。

箱ものが、なにゆえにか目を惹いた。1960年代に、アルトゥール・ルービンシュタインがRCAでステレオ録音した、オール・ショパン・コレクション(Arthur Rubinstein The Chopin Collection, RCA Victor Europe, BMG GD60822)。

ん?。。。で、幾らなの?

…11枚組で、3000円。しかも新譜。え?

絶句した。あ、何度確かめても新品だ。で、脇目も振らず、そそくさと購入。あの、珠玉のショパンの魂の演奏の数々が、一枚270円。ああ、何たる奇跡の遭遇。

僕の頭のなかは、この夏、ますますアルトゥールだ。蒸し暑い日々のなかにも、至福が待っている。

Chopin Collection

Artur Rubinstein / RCA Victor Europe

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by k_hankichi | 2010-07-29 06:56 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(2)

何が爽快にさせるのか…ヘイリーの『クリスタル』

ヘイリー・ウェステンラのクラシックアリア集、『クリスタル』を聴いている。

さわやかだ。心身の「気」や「情念」や、はたまた血液まで、すべて浄化されていくようだ。

ヘイリーの歌声には、声楽家のそれとは異なり、巧みなビブラートや腹の底から沸き上がるような胸郭共鳴音がない。鍛えられた歌声ではなく、子供の無垢な歌声が、そのまま大人になったようなものだ。

だからこそ、貴重なのだ。

媚びいるもの、へつらい、慢心、まとわりつくもの、にじりにじりするもの、世辞、それらの存在しない世界を、知らせてくれる。

ヘンデルの歌劇『リナウド』から、「私を泣かせてください」。プッチーニの歌劇『ジャンニ・スキッキ』から、「私のお父さん」。パーセルの歌劇『ディドとエネアス』から、「私が土の中に横たわるとき」。

ああ、こんな歌声で満たされたオペラを観に、聴きに行ってみたい。

真夏の太陽を、正面から浴びながら、会社に向かう路すがら、汗も何だか、きれいな気体になって蒸発してゆくみたい。

クリスタル~クラシカル・フェイヴァリッツ

ヘイリー / ユニバーサル ミュージック クラシック

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by k_hankichi | 2010-07-28 07:52 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(1)

停電の夜に

昨晩は、神奈川県地域は、雷雨と落雷の嵐。人生最大級の物凄さだった。

天地がひっくり返ったような壮絶。たまげた。

停電のなった。

暗黒の闇。照明も、部屋の空調も何もかもが止まる。雷鳴以外は存在しない静寂。稲妻が走る瞬間だけが、明るく浮かび上がる。

『停電の夜に』という小説のことを想いだした。ジュンパ・ラヒリ著。

漆黒の闇のなか、人は過去を想い、自分とは何かということに思いを馳せ、人との繋がりの真の姿に気付く。

僕も、ちょっぴり何かを期待していたところで、電気が復帰した。

停電の夜に (新潮文庫)

ジュンパ ラヒリ / 新潮社

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by k_hankichi | 2010-07-27 07:49 | | Trackback | Comments(8)

川上未映子の現実を超えた世界…『わたくし率イン歯一、または世界』

「なんちゅうか、お勧めはせんけど、おもろい事はおもろい、しかし、変な小説だったよ」、という友人の言葉に、怖いものみたさで、やはり読んでしまった。題名からして奇妙な、川上さんのこの小説を。講談社文庫。

現実を超えた世界。論理をもたない世界。理性を批判する世界。それがここにある。

文体も奇妙だ。しかしそれは、感情の流れというものを、再現しているように思う。人は実はこのように感じたり考えているのだろうな、ということを知る。詩に近いかな。

だから、この小説を、論理的に理解しようとしてはならない。

人は、立場が変われば感じ方が変わり、論理も変わり、口調も変わり、てにおはも変わる。それが、この小説で分かる。

人間は、そもそもが感性的な生き物である、ということにも、過分に気付かせてくれる。

しかし、こんなふうに物事を感じたり、見えてしまう、ものすごい直感力のある人が、となりに居たら、たいそう困ったことに、なるよなあ、とも思う。でも、本音を言えば、嫌いではない。どちらかと言えば、好きかもしれない。

関西弁が、妙に生々しく、いろいろなことを思い出させる。

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

川上 未映子 / 講談社

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by k_hankichi | 2010-07-26 07:34 | | Trackback(1) | Comments(1)

僕はショパンを見くびっていた・・・ルービンシュタインの夜想曲

あの、ルービンシュタインによる、ワルツ集に驚いて以来、どのように聴いていこうかと思いあぐねていた。ブログで知ったかたが推していたこの夜想曲を、試してみた。1965年8-9月,1967年2月の録音。またも、驚かされた。

第1番 変ロ短調、第2番 変ホ長調。のっけから凄い。淡々と、あるがままに、くどさの皆無な音の流れだ。

第4番 ヘ長調。途中で曲想がかわる部分でも、悪戯に気合いを込めるのではない。

第13番 ハ短調。ロマンという感情に崩れそうな崖っぷちで、何とかこらえながら、ショパンに語らせる絶妙。大伽藍と感情のせめぎあい。

第14番 嬰ヘ短調。前の曲で感情が走ったことを、少し恥ずかしいと思っているような、抑制美に溢れる。

このピアニストは、情熱とか、悲哀とかいう世界とは全く違う観点から、ショパンを、見せてくれる。ショパンが残した音魂がただそこにある、という感じだ。装飾や、もっちりした感情移入は、ほとんどない。

彼の前に、僕のショパン像は、どんどん、どんどん、変容する。吐息が出て、そして、深い安堵感に包まれる。

僕は、ショパンを見くびっていた。

追伸:先週は、欧州はポーランドでも猛暑だったそうだ。テレビでは、ウッチという都市で40℃を超えたことを伝えていた。ルービンシュタインが生まれた町だ。そんなことだけでも、想う心の何かが、敏感に反応するいまである。

ショパン:夜想曲全集I

ルービンシュタイン(アルトゥール) / BMGメディアジャパン

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ショパン:夜想曲全集II

ルービンシュタイン(アルトゥール) / BMGメディアジャパン

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by k_hankichi | 2010-07-25 17:07 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)

『インビクタス』

今年のはじめに話題になった映画だが、もう、レンタルDVDで観ることができた。『インビクタス(負けざる者たち)』。クリント・イーストウッド監督のヒューマンものは、やはり、じんとくる。

ネルソン・マンデラが、心の糧として、ラグビーのワールドカップのチームリーダーに託した言葉。
「・・・門がいかに狭かろうと いかなる罰に苦しめられようと 私が我が運命の支配者 我が魂の指揮官」

イギリスの、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーという詩人の詩からだそうだ。映画の題名と同じ。

そんななか、大統領を讃える、民衆の歌声が、頭の中で重なる。"アー、ネルソン・マンデーラ"というあの歌が。

映画のことをすこし書こう。

1995年。ラグビーのワールドカップが南アフリカで開催された。開催国チームは、ほとんど勝ち目は無いといわれていた。そんななか大統領は、国を思う気持ちを選手たちに託し、ついにチームは初出場初優勝をなしとげた。人種同士の対立が、本当の意味で解消し始めた。

こういう時代の流れ、変革を、片隅にでも、知っていたことを、僕はきちんと、心に刻んでおくべきだろう。

☆☆☆

インビクタス / 負けざる者たち Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

ワーナー・ホーム・ビデオ

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by k_hankichi | 2010-07-24 22:01 | 映画 | Trackback | Comments(0)

『伝える力』

昨日は、宮城→夕方に名古屋(でら暑かった)→夜に神奈川帰還、という、弾丸出張だった。

車中では、少し遅まきながら、池上彰の『伝える力』(PHPビジネス新書)。

日頃から、人の話を聞いてない、とか、プレゼンテーションが手前勝手、とか、言われている僕には、猛暑のなかのお灸。

「謙虚にならなければ、物事の本質は見えない」
「深く理解していないと、わかりやすく説明できない」
「会議では一人一人の目を見ながら話す」
…ああ、そのとおりだぁ。

「相手の「へぇー」を増やす」
…なるほど。

「その言葉に゛愛情゛はあるか」
「悪口は面と向かって言えるレベルで」
「理屈ではない感情もある」
…痛っ。

「難しいことも簡単に書く、話す」
「図に入れる文字は最小限に」
…しゅん。

今日から、いくばくか、やってみるのだ。しょせん半人前、何でも改善に繋がるのだ。

伝える力 (PHPビジネス新書)

池上 彰 / PHP研究所

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by k_hankichi | 2010-07-23 07:52 | | Trackback | Comments(3)

日本版『エルマーとりゅう』

昨晩は、夜の新幹線で、宮城に移動した。車中では『週間新潮』を買いたかったが、売り切れで叶わず、例の川上未映子のエッセイも読めずじまい。代わって、森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』を読了した。角川書店。

現実にはない、すべてが夢のなかで見てきたような、作り話であることは疑いがないような、まっこと不思議な小説だ。

ペンギンは出てくる。しかし彼らは語らない。美しいお姉さんが出てくる。だがどこか、生きている存在感が希薄だ。あくまでも透明。

主人公のアオヤマ君は、友人らと、「海」の誕生の謎に迫る。彼は、いろいろな契機に、そこで起きていることの意味を、書き留めていく。世界のなりたちや謎の意味を、自分のなかで定義したり、名付けていく。

僕は、どこかむかしに触れたような感覚に包まれた。何なのだ?と考えていたら、はた、と気付いた。

この感覚は、『エルマーの冒険』だ。「エルマー、りゅうにあう」、のような世界だ。

僕らは、追体験する。夢のなかで冒険する小説を。

ペンギン・ハイウェイ

森見 登美彦 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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by k_hankichi | 2010-07-22 06:28 | | Trackback | Comments(0)


音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です


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