2017年 09月 09日 ( 1 )

ずっと観たいと思っていた映画『海辺の生と死』をようやっと観た。

これは太平洋戦争末期に、島尾敏雄とミホが出会った奄美諸島の島での出来事を描いたもの。生と死を分かつ瀬戸際の境遇にありながら、二人の恋は燃え上がり、しかし、決行の日はじわりじわりと迫って来る。

映画の印象は「夜」。二人の逢瀬は夜が主体で、だからそうなるわけで、薄暗い日、月明かりの日、それぞれのなかで、心情描写が纏緬と連なっていく。途中、中だるみ気味になるのだけれど、それは二人の気持ちの進行とも合致するものだから仕方がない。

僕にとってのこういう研ぎ澄まされた感覚とともにある夜は、何時のことだっただろうか。二人の愛を目の当たりにすることで、観客のそれぞれは、忘却の彼方から救い出された。

夜を最も美しく描いた、ジャパニーズ・フィルム・ノワールだった。


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by k_hankichi | 2017-09-09 19:47 | 映画 | Trackback | Comments(4)

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