2017年 08月 03日 ( 1 )

喩えて言うならば、太いクレヨンでもって書き綴った少女の成長記録、とでも言おうか。『こちらあみ子』(今村夏子、ちくま文庫)。2010年度に第26回太宰治賞と第24回三島由紀夫賞をダブル受賞した作品だそうだ。

穂村弘が解説を書いていて、ずばりそのとおりだと思った。

“現代社会で「ありえる」ために、私は様々なものに意識を合せようとする。場の空気とか効率とか「イケてる」とか。その作業は大変だけど、そうしないと生きていけないと思うから、できるだけズレないように頑張り続ける。…(中略)…ただ、「ありえない」の塊のようなあみ子をみていると勇気が湧いてくる。逸脱せよ、という幻の声がきこえる。”

僕もその道に誘われると、ついつい付いていってしまいそうな気がする。周囲に迎合せず自由気ままに、極めて心が奔放なままに生きていきたい。

願望が具現化する小説だった。

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by k_hankichi | 2017-08-03 06:28 | | Trackback | Comments(2)

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