2014年 09月 14日 ( 1 )

初めて『ひまわり』を観て、深く深く吐息をつく

今日の午後のTVで、初めて映画『ひまわり』を観る(東京MXテレビ)。これは実に感慨深いものだった。

冒頭に展開する、満開のひまわりで埋め尽くされた大地。その美しい丘は、愛する二人を引き裂いた凍てつく冬の大地だったのだということを、おわりまで観ることでようやっと気づく。美しさ、明るさのもとには、どうしようもない悲しみと別離が隠されている。

物語は戦場に出た人たちの帰還や去就を知らせる役所から始まる。ジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)にとって、ロシアで「行方不明」という夫アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)の扱いがどうしても信じられない。

アントニオは、ジョヴァンナと結婚しつかの間の幸せをつかんだと思ったところに、軍隊の迎えがきてしまい、思わず逃げ出してしまったことに対する懲罰としてロシア戦線に送り込まれてしまっていたのだ。

ジョヴァンナは夫を待ち続ける。しかしいつまでたっても帰ってこない。戦士を信じられない彼女は、ひとりロシアの地に向かう。街から街、田舎から田舎を訪れる。そしてようやく、ロシアの郊外の町で、夫が暮らす家を見つける。

そこには美しいロシア人若妻と娘とが暮らす家庭があった。夫は、死の行進だったロシア戦線の末に、雪の中で凍死寸前のなかそのロシア娘に助けられていたのだ。記憶を失ったまま、結果的にその彼女と結ばれた。

夫と再会するジョヴァンナ。しかし顔をみたとたん、彼女は踵を返して汽車に乗ってしまう。

ロシアでの生活の中で記憶を取り戻していたアントニオ。茫然として彼女を見送る彼のなかは泉から湧き出るような恋い焦がれる気持ちで溢れていく。彼はなんとかして手を尽くし、ミラノに彼女に会いに戻る。しかしなかなか再会することができない。彼女もそれを望んでいるのに躊躇いがあるのは、彼女にももう新しい家庭と子供があったからなのだ。

ようやく再会したものの現実を知ったアントニオは、落胆してミラノ駅を後にする。列車を見送る彼女。戦場に見送った同じホームは、こんどはもう永遠に逢えることがない別離の場となって、彼女は涙にあふれゆく。

作品は、戦争が引き裂いた愛なのだが、僕らの実生活の中にも、これと同じようなことが起きているような気がする。それはたわいもないきっかけかもしれない。けれども一旦離れてしまうようなことがあれば、それぞれの生活が展開してしまっていて、赤い糸は最早あることはなく、再び結びつくことができない宿命というものだけが残されている。

そういう現実に改めて気づかされて、なおさら、心がじんと鳴っていた。

■『ひまわり』(原題:I Girasoli)
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演者:マルチェロ・マストロヤンニ(アントニオ)、ソフィア・ローレン(ジョヴァンナ)、リュドミラ・サベーリエワ(アントニオのロシアでの妻)
音楽ヘンリー・マンシーニ
製作:イタリア、1970年

■映画トレイラー →http://youtu.be/L8cZ1Ro6nWo

  

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by k_hankichi | 2014-09-14 22:09 | 映画 | Trackback | Comments(2)


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