まるっきり買った覚えがない曲がウォークマンに入っていて、まるで小説か何かの中か或いは夢の中なのかと思った。最近、夢を見ると昔の同僚や知人たちがおっかない目に遭うシーンに出くわして、さてはまたその手の話の始まりなのかとぎくりとした。
バッハのTrauer-Ode(哀悼行事用カンタータ)第198番と第78番。フィリップ・ヘレヴェウへ指揮、シャペル・ロワイヤル演奏。ペーター・コーイ、ハワード・クルーク、イングリッド・シュミットヒューゼン、チャールズ・ブレット。
1. 「侯妃よ、さらに一条の光を」 (Laß, Fürstin, lass noch einen Strahl) BWV198
2. 「イエスよ、汝はわが魂を」(Jesu, der du meine Seele) BWV78
哀しみに引き入れられるその曲集は本当に鎮魂歌のようで、まさに寒い夜の帳に聴き入るに相応しかった。