極めてリアリスティックな『海辺の生と死』

ずっと観たいと思っていた映画『海辺の生と死』をようやっと観た。

これは太平洋戦争末期に、島尾敏雄とミホが出会った奄美諸島の島での出来事を描いたもの。生と死を分かつ瀬戸際の境遇にありながら、二人の恋は燃え上がり、しかし、決行の日はじわりじわりと迫って来る。

映画の印象は「夜」。二人の逢瀬は夜が主体で、だからそうなるわけで、薄暗い日、月明かりの日、それぞれのなかで、心情描写が纏緬と連なっていく。途中、中だるみ気味になるのだけれど、それは二人の気持ちの進行とも合致するものだから仕方がない。

僕にとってのこういう研ぎ澄まされた感覚とともにある夜は、何時のことだっただろうか。二人の愛を目の当たりにすることで、観客のそれぞれは、忘却の彼方から救い出された。

夜を最も美しく描いた、ジャパニーズ・フィルム・ノワールだった。


c0193136_19502284.jpg
c0193136_19503852.jpg

[PR]
トラックバックURL : http://hankichi.exblog.jp/tb/27396683
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by maru33340 at 2017-09-09 21:32
観たのね☆
Commented by k_hankichi at 2017-09-10 11:07
ちょっと(ちょっとだけ)、鈴木清順的な雰囲気もある作品なり。
Commented by Oyo- at 2017-09-11 17:28 x
『島の果て』の映画化なのですね^^
今の若い俳優さんたちが良くわからなくて、本からのイメージは佐田啓二と松坂慶子かな~(^_^;)
Commented by k_hankichi at 2017-09-12 07:51
おようさん、まさに、そういう感じです。
by k_hankichi | 2017-09-09 19:47 | 映画 | Trackback | Comments(4)

音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です


by はんきち