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by はんきち

『深い河』における探求

ブログ友人の薦めだったが、読んでみて良かった。遠藤周作の『深い河』(講談社文庫)。

“「それではお前にとって神とは何なのだ」
と修道院で三人の先輩に問われて、ぼくはうっかり答えたことがあります。
「神とはあなたたちのように人間の外にあって、仰ぎみるものではないと思います。それは人間のなかにあって、しかも人間を包み、樹を包み、草木をも包む、あの大きな命です」
「それは汎神論的な考えかたじゃないか」
それから三人はスコラ哲学のあまりに明晰な論理を使って、ぼくのだらしない考え方の欠陥を追求しました。これはほんの一例ですけれど、でも東洋人のぼくには彼等のように何ごともはっきり区別したり分別したりできないのです。

最晩年の遠藤は、自らのキリスト教信仰について、東洋的なる視点を加えて思索を深めていたのだと知った。輪廻転生のような観点まで加え、ヒンズー教の考えにも共感を示した。

深い河とは、ガンジス川の深さだけでなく、あらゆる宗教をも超えた深い思索の溝なのだと、ようやっとわかった。



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by k_hankichi | 2017-02-26 17:59 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by maru33340 at 2017-02-27 07:33
内容忘れてしまっています。
再読したいです。
Commented by k_hankichi at 2017-02-27 07:44
maruさん、遠藤周作は最後まで苦悩を重ねた作家だったんやなあ、と感慨しました。