『野ブタ。をプロデュース』の雰囲気と全く違う、すっごいエッセイ
買い求めてみたら、あれ、これはどこかで見たような、という既視感に捉われた。
『野ブタ。をプロデュース』ならぬ、『野良猫を尊敬した日』(穂村弘、講談社)である。背表紙の字体が、ちょっと似ているだけなのだろうけれど、その雰囲気はとても近いように見えた。
そして内容は、というと全く異なっていて、穂村節炸裂の、つまりそれは僕の代弁者のようなエッセイが満載で、それだけで幸せ過ぎる気持ちになった。
みちのくの寒い雪降る夜が、南ヨーロッパの春の陽を浴びて歩む舗道のような気持ちになった。