『サロメ』の蠱惑

ピアニストと音楽が主題になっている小説が平成28年下期の直木賞を受賞した。これまで著された国内外のどんな音楽小説よりも演奏家や音楽の中身について考察され、深耕されたもので、だれにも真似ができない高い極みだと思う。心から祝福する。

そういうなか、今度は画家と絵画を主題とした小説『サロメ』(原田マハ、文藝春秋)を読了。これは原田さんの美術小説のなかでも一番だと思った。

オスカー・ワイルドとオーブリー・ビアズリーが、小説『サロメ』とその挿し絵を巡って織り成すフィクションだ。しかしそれは美術的な深い知見と時代考証によって裏打ちされている。

彼らの周囲の環境、すなわち英仏の文壇・画壇の複雑な様相は興味深く、そしてそこに渦巻く嫉妬と蔑みが交錯するさまはドキドキする。

蠱惑的なるサロメの画集をしっかりと眺めてみたいと思ったし、ビアズリーのみならず、ギュスタヴ・モローをも再び紐解きたくなった。

そしてまた、リヒャルト・シュトラウスの歌劇にも深く耳を傾けたくなった。

ファム・ファタル的なる蠱惑は、今朝も自分の周囲にうごめきつづける。

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Commented by maru33340 at 2017-01-20 08:37
お、早いなあ
Commented by Oyo- at 2017-01-21 11:37 x
マハ女史の極みでもいらっしゃるようですね^^ 私も別のを・・・。
Commented by k_hankichi at 2017-01-21 14:15
maruさん、おようさん、良かったですよ。
by k_hankichi | 2017-01-20 07:47 | | Trackback | Comments(3)

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