その詩人の世界

ブログ友人が紹介していた詩集『戯れ言の自由』(平田俊子、思潮社)を漸く買い求めた。今年の(第26回)紫式部文学賞を得た作品だそう。

新鮮な気持ちに包まれる作品ばかりで、言葉が人を綺麗にさせる、落ち着かせるということはこのことか、と思った。

「犬の年」は、“コギト・エルゴスム(我思う、ゆえに我あり)”で締め括られる、緊張から逃れるがための呪文集。あらあらどこまで出てくるの?と嬉しくなる。

「「イラッとする」にイラッとする」もほぼ同じ部類だが飽きがこない。

「「そうだ皇居いこう」」は括弧つきの題名で、新幹線や特急で行く旅の気分で宮城を楽しむ旅行記。他愛ない会話や周囲の出来事も言葉遊び歌になる。

「あと何回」には、しんみりした。内省。「あかん」や「貝殻」も命について語る。内省。

しかし圧巻は「伊藤」。友情の深き証しが詩に溢れる。溢れてこちら側にまで零れてくるけれど嫌味が少しもない。それはあまりに純朴なる気持ちだから。

年の瀬の詩集は、目が覚めるような素晴らしき世界。まだまだ世の中、捨てたものじゃあない。

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戯れ言の自由

平田俊子 / 思潮社

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Commented by Oyo- at 2016-12-07 06:56 x
流石 はんきちさま!それぞれの感想表現が素晴らしいです(*^^)v
Commented by k_hankichi at 2016-12-07 07:34
おようさん、ありがとう。また世界が拡がりました!
by k_hankichi | 2016-12-07 00:13 | | Trackback | Comments(2)

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