音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

ランボーとアインシュタインの会話

どこかの本で引用されていて思わず中古本を取り寄せたまま2年ほどが過ぎていた。みちのく行脚の道すがら漸く読み終えて、ああ、これはバブルの前の世界だなあと思った。アフリカとアメリカを通じてヒロシマに思いを馳せ、その日本的なる文明と原点回帰に憧れる。『すばらしい旅人』(イヴ・シモン、集英社)。

このなかで、つぎのようなストーリーを創る話がある。

アルチュール「見つかった・・・」
アルバート「なにが?」
アルチュール「永遠だ・・・」
アルバート「だが、時間と空間は、われわれが認識しなければ意味がない・・・」
アルチュール「おれは神の声を待ちこがれた。おれは、永遠なるものより、劣った種族なのだ」
アルバート「神の賭けというのはむずかしい。私には神が賽を振ったとは思えないのだ。過去、現在、未来という区別は幻想にすぎない。たとえそれが執拗な幻想だとしても」
アルチュール「おれは、あんたの理性の光を見ることはできない。おれは獣だ、ニグロだ」
アルバート「一番いいのは、すっかり酔って浜辺で寝転ぶことだよ」
アルチュール「つまり見つかったんだな」
アルバート「なにが」
アルチュール「見つかった・・・」
アルバート「永遠だよ。それは太陽と混じり合った海だ」

『地獄の重力』という本の構想。ランボーとアインシュタインとの会話だ。僕にはその海の水の手触りがヒタヒタと沁みてくる。

未来を見据えていた頃の、フランスの壮年の人たちの希望を垣間見た気がした。

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すばらしい旅人

イブ シモン / 集英社

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by k_hankichi | 2016-11-25 07:27 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by Oyo- at 2016-11-26 08:32 x
フランスに住んでいた頃、酔って芝生に寝転んで天を見上げていた時の記憶が蘇えり永遠を感じたものです^^
Commented by k_hankichi at 2016-11-26 11:09
おようさん、最高ですね~!