陶芸へのいざない

『暗幕のゲルニカ』の衝撃が覚めらやぬうちに、あらなた小説に再び感銘した。原田マハの『リーチ先生』(集英社)である。

陶芸の世界はどちらかといえば僕にとっては未知の世界。日本でそれが造詣芸術として認められていった歴史はまだ浅いということも学ばせてくれた。

小説はバーナード・リーチと、彼を仰いだ男・沖亀之介、そしてその息子・高市を核としている。そこに高村光雲、光太郎、柳宗悦などが交流してくる。

舞台は日本からイギリスにまで拡がり、そして再び日本に戻ってくる。そのあいだにそれぞれの国で陶芸は発展し、あらたな境地を拓いてゆく。

話の途中では白樺派の人たちの様子も描かれ、このひとたちは文学・芸術に幅広く目を開いていたことも描かれる。

原田さんの小説は、人間の生きざま、芸術のなりわいだけでなく、さまざまな人たちの系譜や世の中との関わりがさりげなく描かる。それは嫌味がなく、荷が重くなく、だからいつも爽やかな気持ちで深い吐息をつかせてくれる。

小さい頃に陶芸教室に通っていた家人たちの嬉々とした表情を思い出した。

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リーチ先生

原田 マハ / 集英社

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Commented by maru33340 at 2016-11-19 06:59
まだ積ん読のまま(^^;
読まなくちゃ。
Commented by k_hankichi at 2016-11-19 07:27
maruさん、はい、是非に!
Commented by maru33340 at 2017-02-12 10:11
ようやく機が熟して長く積ん読だったこの小説を読了。
爽やかな風が吹きすぎるような気持ちの良い物語でした。
Commented by k_hankichi at 2017-02-12 17:27
maruさん、まさに爽やかなる風、という感じでした。
by k_hankichi | 2016-11-18 07:24 | | Trackback | Comments(4)

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