どういうことなのか、ようやく合点がいった

なるほど~!と目から鱗が落ちる感覚に陥った。ブログ知人の紹介の『反知性主義』(森本あんり、新潮選書)を読んでのことである。某国の首長選の結果が大方の予想に反したもので、その理由が全く理解できずにひどく落ち込んでいたから猶更だった。

“逆に言えば、アメリカの大統領は、頭がよければつとまるというものではない、ということである。反知性主義が大統領選挙を左右するのもそのためである。「反知性主義」という言葉は、1952年の大統領選挙を背景にして生まれたものである。当時の共和党候補アイゼンハワーは、ノルマンディー作戦を指揮した将軍としての名声で立候補したが、知的には凡庸で、プリンストン大学卒業の優秀な対立候補スティーヴンソンにはとてもかないそうになかった。本人も政治には無関心で、投票したことすらなかったという。しかし大衆は、アイゼンハワーに親しみやすさを好んで「アイ・ライク・アイク」を連呼し、彼の圧勝という結果になる。「知性に対する俗物根性の勝利」と言われた反知性主義の高潮点である。昔も今も、アメリカの大統領には、目から鼻に抜けるような知的エリートは歓迎されない。21世紀になってジョージ・W・ブッシュが二度の選挙に勝ったのも、同じ理由からであった。知的優秀さの際立つ対立候補に比べて、彼が「ビールを飲みながら気軽に話せる相手」と見なされたからだと言われている。”(「第五章 反知性主義と大衆リバイバリズム」から)

“時代の要請は、「下層階級の人々の好奇心を刺激し、享楽の欲望を満たし、支持をとりつけるために低俗で野卑なものを提供すること」であった。反知性主義とは、このような背景をもった大衆の志向性である。そして、その同じことが政治の世界だけでなく、宗教の世界にもおこってゆくのがアメリカである。(中略)彼らが権力と戦うために使う武器にも特徴がある。それは、精密に練り上げられた仕掛けであり、巧まざる話術で有り、大舞台を前にしてひるまない絶対の自信である。”(同上)

とにかく感嘆して、なるほど、そうなのか、と合点がいった。

反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書)

森本 あんり / 新潮社

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by k_hankichi | 2016-11-17 18:38 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by Oyo- at 2016-11-17 19:17 x
別の頭の良さを知っているアメリカを感じます<^!^>
Commented by k_hankichi at 2016-11-17 20:58
おようさん、ご紹介ありがとうございました。


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