『はじめての短歌』(ほむほむ):下車せず、海行きの世界

紹介してもらった『はじめての短歌』(穂村弘、河出文庫)は愉悦なる書だった。

“よく学校の授業で、短歌や詩は非常に教えにくいって声が聞かれるけれど、それは当たり前だと思うな。なぜ当たり前かというと、学校というのは基本的には言葉のベクトルをこれまで見てきた改悪例のほうに矯正するんだよね。教育機関の主な役割は、まだ社会的存在として完成しきっていない子どもたちを社会化すること。だけど短歌や詩というのは、それに対してベクトルが逆なんだから。教えようとしても価値観が逆だから、「先生、さっきまで言ってたことと、ベクトルが違う」みたいな話になる。”

看破のしかたが見事だ。

そして中身もユニークだ。

短歌の秀作について、そのどこが良いのかを解説しながら、一般人ならば、或いは会社人間ならばこう書いてしまうかも、という改悪例を幾つか示していく。

人間というのはそもそも「生きる」ために生まれてきたのであって、「生きのびる」ためではない。「生きる」ことについて、その鮮やかな清々とした美しさ愉しさについてが言葉になり表されるのだ。

会社に行く駅で降りるのではなく、そのまま乗り過ごして海までいってしまおう。

そう感じた気持ちが短歌になる。

はじめての短歌 (河出文庫 ほ 6-3)

穂村 弘 / 河出書房新社

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Commented by Oyo- at 2016-10-13 09:27 x
ウフッ!海まで突っ走ったら大変な事になりますが^^ おもしろい、的を得ていますヽ(^o^)丿
Commented by maru33340 at 2016-10-13 18:19
良い本やったなあ。
Commented by k_hankichi at 2016-10-13 19:09
おようさん、はい、でもサラリーマンは、時折そうしたくなります。
maruさん、ありがとう。
by k_hankichi | 2016-10-13 07:30 | | Trackback | Comments(3)

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