故あって、家人のやる事柄を代わってあれこれやっている。
インターネットで遣り方を調べたり、どれが良いのかを画面の記載や写真から選んだり、いくつかの事務所に電話して条件を確認したりするのだ。
いわば手配師。
自分のことではないが、それを想像しながら出来るだけ速やかにかつ良き体裁でおさめてゆく。
ものごとの調整、手配ということを人に成り代わって行ってゆく。
やり進めていくうちに、自分が物凄く卓越している、あるいは、物凄く捌けているように思えてくる。
そしてハッと気付く。
これが手配師の恍惚なのだと。その恍惚は本当は錯覚なのだけれど、脳髄がすこし覚醒するようなその高揚はたまらない。
錯覚の、恍惚の、爽やかの、アカルサの、鼓動の、たましいの、せつなさの、健やか。
秋の朝だ。
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