『ショパン・コンクール』に感嘆する

友人たちが皆読んでいると聞き、これは直ぐ読まねば、と出張先で買い求めて昨晩読了。『ショパン・コンクール 最高峰の舞台を読み解く』(青柳いずみこ、中公新書)。

期待通りのマニアックさで、青柳さんらしい温かな目で見たシニカルさも満載。

ポーランドの威信を懸けたコンクールは、音楽界の政治とともに蠢いている、という、半ば想像していた通りの状況に、ふむふむと頷くばかり。

終章で著者が締め括った次のような言葉が、良質の演奏を聴き終えたときのようにいつまでも心に響いた。

“従来の演奏や指導による固定観念にしばられて耳慣れない解釈を否定するのではなく、意図を理解した上で、ショパンにふさわしいかどうかを判断してほしい。どんな突飛な解釈が出てきても対応できるように、よってきたるところを理解し、裏づけのないものはそれと察知するために情報交換の場、勉強会も必要になってくると思う。(中略)「こんなのはショパンではない」という理由で“世に知られる前の段階で”振り落とされてきた無数・・・本当に無数のコンテスタントたちの無念の思いに応えるために。”(「終章 コンクールの未来、日本の未来」より)

ショパン・コンクール - 最高峰の舞台を読み解く (中公新書)

青柳 いづみこ / 中央公論新社

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Commented by maru33340 at 2016-09-30 23:12
この本からはたくさんの事を学びました。中でも僕が一番気になったコラムは…(後日ブログに記載予定なり)
Commented by k_hankichi at 2016-10-01 06:50
それは「ディーナ・ヨッフェとの対話」のことであるかな・・?
Commented by maru33340 at 2016-10-01 09:19
そのエッセイにもとても感銘を受けた。とても大切な問題提起だよね。深く考えなくてはいけない事。
が、今回書きたいと思ってるのは実は別のエッセイについてなんだ(まだ書きかけ)
Commented by k_hankichi at 2016-10-02 06:41
maruさんのブログ、あのこと僕もうっすらと気にはなっていたものの、ほぼ素通りしていました。かたじけない。
by k_hankichi | 2016-09-30 07:57 | | Trackback | Comments(4)

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