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by はんきち

『流れとよどみ -哲学的断章-』をようやっと読む

大森荘蔵の『流れとよどみ -哲学的断章-』(産業図書)がお薦めと友人から言われて、すこしづつ読み進めている。

この哲学的なエッセイ集は、すべてが僕が高校から大学に通っている時代(1976年から1981年)に書かれている。おそらくそのころもこの方の著作を読む機会もあったのだろうけれども、一つとして記憶に残っていない。

この著者は、人間の傲慢さを断固として拒絶し、たとえ哲学といえどもそこに内包されるある種の虚構性というものをしっかりと認識せよと語り掛ける。

「音がする」という一篇もなるほどと頷いた。

人間は、音楽を聴いているといっても、それは脳のなかの細胞が反応しているだけで、脳の中にマイクを仕込んでもそこで音楽が鳴っていると言うわけではない。その実、外界からの刺激を脳細胞が「データ処理」してわれわれの近くが生じているにすぎず、つまり知覚が創られていることなのだと看破する。

経験がその振動を理解し、なんらかのプロセスを経て、反応させているのが音楽だとすれば、それは言語でも同じなのかもしれない。

人類というのはかくも奇跡的なる存在なのだと、改めて感嘆する。写真家、エッセイストの星野道夫さんが伝えようとした世界にも通じていると思った。

流れとよどみ―哲学断章

大森 荘蔵 / 産業図書

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by k_hankichi | 2016-08-30 07:18 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by maru33340 at 2016-08-30 19:48
そ、そんな本読んでたんか(^^;
Commented by k_hankichi at 2016-08-30 20:57
そ、そのようです(^^;;;