タイフーンに、こころ動かされる

西脇順三郎の詩、「秋」を思い出した。詩集『近代の寓話』のなかの一篇だ。ものすごい勢いで、わが町にも押し寄せた。そのエネルギイには、こころ動かされた。

恐怖と、ドキドキする気持ちと、畏怖を通り越した憧憬にちかい崇拝のような念。

近寄りがたいレベルの自然の底力に、ただただ、深くため息をついた。

「秋」


潅木について語りたいと思うが
キノコの生えた丸太に腰かけて
考えてる間に
麦の穂や薔薇や菫を入れた
籠にはもう林檎や栗を入れなければならない
生垣をめぐらす人々は自分の庭で
神酒を入れるヒョウタンを磨き始めた


タイフーンの吹いている朝
近所の店へ行って
あの黄色い外国製の鉛筆を買った
扇のように軽い鉛筆だ
あのやわらかい木
けずった木屑を燃やすと
バラモンのにおいがする
門をとじて思うのだ
明朝はもう秋だ

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Commented by Oyo- at 2016-08-23 00:01 x
あれー、似てるーヽ(^o^)丿
Commented by k_hankichi at 2016-08-23 07:01
西脇の世界、良いですよね。
Commented by maru33340 at 2016-08-23 09:12
はんきちさんとおようさんのブログがそっくり!
by k_hankichi | 2016-08-22 22:15 | | Trackback | Comments(3)

音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です


by はんきち