吉増はやめとけ、と言われたけれど

友人から、「吉増はやめとけ」と言われていたけれど、古川日出男が朗読する詩「わが馬ニコルスの思い出」のごうごうとしたエネルギーが頭に刷り込まれていて、怖いものみたさのような、そういう距離感で読了。『我が詩的自伝』(吉増剛造、講談社現代新書)。

この人は「感ずるままに導かれ生きよ」、というエネルギーに突き動かされて生きてきたのだなあ、ということをつくづくと感じた。そして、彼は詩のなかに人間の直の感情というものを内包させようとしたのだということを知った。

“それから、水の底の冷たーい感じっていうのもずーっと考えていて、北村透谷のことを申し上げましたのですが、もうひとつその前に女の人に惹かれる系列みたいなのを出しましたよね。その中にあんな天才歌人を引き込むのは本当に申しわけないのだけれども、與謝野晶子さんの歌を詠む声、あの女の声っていうのも、異種異界からの声だとも、マヤちゃんともつながっているそういう女の、その系列に入れちゃってもいいなと思った。與謝野晶子の自作朗読の録音があってね、この間も改めて中国からの留学生たちに聞かせてみてびっくりしたんだけれど、ほとんど僕の頭は覚えちゃってるんですよ。「我が舟の港のくちにかかるとき北海道の霧晴れにけり」とかさ。「片側の長き渓川夕月が流す涙のここちこそすれ」。”(「第二章 詩人誕生」より)

その音源を調べて耳を傾けてみると、確かにそこには歌人の心がまさに滔々と流れているように思った。

詩は、やっぱり朗読するものなのかもしれない。

■與謝野晶子 自作朗読 →https://youtu.be/N9l91CqmeTs

■歴史上の人物肉声シリーズ【与謝野晶子】 →https://youtu.be/KetbOGyFqoQ


我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! (講談社現代新書)

吉増 剛造 / 講談社

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Commented by saheizi-inokori at 2016-07-17 09:44
図書館にあるかな。
Commented by Oyo- at 2016-07-17 11:19 x
おもしろいー!何て言ってしまってよろしいのか(>-<)
よく音源見つけられましたねー(^o^)
Commented by k_hankichi at 2016-07-17 19:35
saheiziさん、この詩人は一種独特な感じがします。おようさん、与謝野晶子、びっくりしました。
Commented by maru33340 at 2016-07-17 23:40
うわあ、聞くべきだったのか聞かざるべきだったのか

うらべくにこの
こえににしか
きこえぬよさの
あきこのこえ
(晶子のイントネーションで)
Commented by k_hankichi at 2016-07-18 07:56
maruさん、座布団三枚!
by k_hankichi | 2016-07-17 09:25 | | Trackback | Comments(5)

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by はんきち