『若き芸術家たちへ』(佐藤忠良、安野光雅)

彫刻家の佐藤忠良と画家の安野光雅との対談集『若き芸術家たちへ』(中公文庫)は自然体のものだった。そしてその佐藤さんが語ったという次の言葉がとても凛としていて良かった。

“あのとき、わたしはバスの中で寝ていましたが、佐藤さんはロシアのテレビ局の人からインタビューを受けていました。その話を聞いていたひとが飛んで来て言いました。「安野さんね、佐藤さんがすごいことを言っていますよ。ロシアのテレビ局の人が、「シベリアに抑留されていたと聞きましたが、さぞ大変だったのではないでしょうか」と言うと、佐藤さんは「彫刻家になる苦労を思えば、あんなことはなんでもないですよ」と答えているのです。」わたしは起き上がって襟を正しました。”(「バイカル湖 シベリアの湖を行く船の上で」から)

佐藤忠良は、終戦の時から三年間、シベリアに抑留されたそうで、そこを四十四年ぶりに訪れ、二人が対談をした際のものだった。

若き芸術家たちへ - ねがいは「普通」 (中公文庫)

安野 光雅:佐藤 忠良 / 中央公論新社

スコア:



 
[PR]
トラックバックURL : http://hankichi.exblog.jp/tb/25747623
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by maru33340 at 2016-06-30 08:14
これは良い本なり。
佐藤忠良さんの彫刻作品は好きです。
アートハウスにもいくつか収蔵されています。
Commented by k_hankichi at 2016-07-01 07:16
佐藤さんの彫刻、なにか安堵の気持ちに包まれます。
Commented by Oyoー at 2016-07-01 20:38 x
佐藤チュウリョウ、私も好きです。只今山あいに来ていて自然に癒されて都内に戻りそびれています。
Commented by k_hankichi at 2016-07-02 08:28
おようさん、山間の梅雨が心地よさそうです。
by k_hankichi | 2016-06-30 07:15 | | Trackback | Comments(4)

音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です


by はんきち