『日記をつける』を読み、ブログをつける

『日記をつける』(荒川洋治、岩波現代文庫)を読んだ。すこし飛ばし飛ばし読んだ。

僕は今は日記をつけない。昔、何度もやりはじめて、その度に数日で頓挫した。

一番続いたのは、小学校三年生の頃の夏休みにつけた「詩の日記」で、それも母親の手助けがあったから出来たに過ぎない。

その次に続いたのは、外国に少し住んで居たときで、しかしそれもノートに数ページ分でたち消えた。英語で書こうと始めたことも良くなかった。だけれども日本語でも同じことだったろう。

荒川さんの本を読んでみると、日記には何を書いても良いことが、改めてわかる。個人の生活や思考の記録だからだ。

しかし、そのなかには、いつか誰かに読まれてしまうことも予見しての仕込みがどこかしらにあるという。

いろいろな人たちの日記が紐解かれてゆくが、一番びっくりしたのが、山田美妙の日記。筑摩書房刊の『明治の文学 第10巻』に納められているという。

荒川さんは、この人の書き付けは、日記としてはさびしいという。自分だけがわかることばというものは、あまり意味がないもの、はかないものかもしれないと思う、とされる。そうは言えども僕は山田氏の日記の中身にはびっくりした。人を驚かせるということだけても、意味はあるように思えた。

荒川さんは、ブログについても考えを書いている。

“ブログは「嬉しく」なるものだ。書いていると、おそらく。どこまでも快適、心地よい。でもそこに書いたことが自分にとって、意味のあるものと感じられたときでも、冷静な自分という、もうひとつの人影を呼びだしておきたい。書くことの内側にも、そして外側にも、さらにその向こうにも人の世界がある。それを知ること、感じとることのうれしさを、すててはならないと思う。”

2002年に刊行されたものなので、綴っていたときから15年は経ている。さまざまなブログや、そしてSNSが常態化した現在、もはや歯止めは難しい。

今一度、自分を振り返り、戒めるような気持ちになりながら、今朝のブログをこうやって書いた。

日記をつける (岩波現代文庫)

荒川 洋治 / 岩波書店

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Commented by saheizi-inokori at 2016-05-21 21:37
日記ではこんなに続かない事だけははっきりしてますね。
Commented by k_hankichi at 2016-05-22 06:53
saheiziさん、そう思います。まさに、はい。
by k_hankichi | 2016-05-21 08:42 | | Trackback | Comments(2)

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