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by はんきち

鴬の謙虚なる傾聴と主張

週末になると憂鬱なことがある。テレビの時事対談における有識者たちの語りだ。

彼らは、相手の発言に耳を傾けず被せ断ち切るように持論を説こうとする。その相手もまた無作法無法図にそれに応対する。

ここでは、相手の話は最後まで語られ自分のなかで咀嚼されることは決して無い。ということは自分の話についてもそうである。

さすれば対談の意味は無いことになる。傾聴なき対談は、言い放ちの競争で、決してなにか新たな知見が生み出されることはなく、平行線のデシベルゲージが、左右で伸びたり縮んだりしているだけだ。

そんななか、拙宅は、春たけなわの今だけの恩恵のような癒しを授かっている。

窓の外の林に繰り広げられる鶯の囀ずりだ。

都合、五羽の鶯が「ホー・ホケキョ」を連発する。しかしその囀ずりのやり方にはきちんとした謙虚なる傾聴と静かなる主張に満ち溢れている。

一羽の囀ずりが終わったあと約八秒後に、次の一羽が少し高い周波数で囀ずりを始める。

その次の一羽もその八秒をしつかりと待つ。その後も、そのあとのあともそうだ。

だから彼ら一羽一羽は、自らの囀りが、しっかりと林のなかに染み入り終わるまで聴き終える。そして他の鳥たちもそれに耳を澄ませる。

相手の響きを大切にし、自分の響きともしっかりと聴き比べる。そして囀ずりの音色や周波数、鳴き様に反映をしてゆく。

謙虚なる傾聴と主張の素晴らしさに酔いしれる。僕たちは鶯に劣ってしまってはならない。
  
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by k_hankichi | 2016-05-16 08:05 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by Oyo- at 2016-05-16 10:28 x
わー、素敵! 貴殿の心境が美醜の極みです\(-o-)/
Commented by k_hankichi at 2016-05-16 19:14
おようさん、恐縮です。