音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

ソノシートにじっと耳を傾けていた陽だまりの時間

朝刊を読んでいたら、むかし「朝日ソノラマ」という月刊雑誌があり、創刊間もなく、文豪による自作朗読特集が組まれたと書かれていた。

ソノシート・・・。その甘美なる響き。僕にとっては来る日も来る日も、「エイトマン」のシリーズや、「宇宙少年ソラン」、「テレビ漫画ヒット集」(これには「スーパージェッタ―」や「遊星少年パピイ」「ピピのうた」「おやすみパピイ」が入っていたと思う)に聴きふけっていたことを思い出す。

さて志賀直哉。『暗夜行路』を朗読している。短い時間の録音なのだけれども味がある。バックグラウンドに小鳥のさえずりまで聞こえる。小津安二郎監督とも、こんなふうな、とつとつとした口調で語り合い、酒を酌み交わしあったのだろうか。

そんな風に思っていると、別の号では吉川英治が『宮本武蔵』を朗読している。東野栄治郎の声に極めて似ていると知った。小津や志賀も、密かに酒の肴にして嬉しがっていたに違いない。
 
■志賀直哉が朗読する『暗夜行路』 →http://www.asahi.com/articles/ASJ4H3Q7BJ4HUCVL009.html

■吉川英治が読む『宮本武蔵』 →http://www.asahi.com/articles/ASJ4J52GLJ4JUCVL003.html

■こちらは朝吹真理子が紹介する、谷崎純一郎の『細雪』 (僕の自宅にもこれと同じレコードプレイヤーがあった) →http://www.asahi.com/articles/ASJ3Y563XJ3YUEHF00P.html

■谷崎潤一郎による『春琴抄』 (録音している時に遠くで電話が鳴っている!) →http://www.asahi.com/articles/ASJ3K42SWJ3KUCVL00R.html

■井伏鱒二による『山椒魚』 →http://www.asahi.com/articles/ASJ454DMQJ45UCVL00M.html

■室尾犀星が読む『小景異情』 →http://www.asahi.com/articles/ASJ4B7GCSJ4BUCVL00Q.html

漫画主題歌と小説詩歌の朗読。内容は違っていても、昭和30~40年代、西東京のあの小さな家の畳部屋で、一人静かに聴き入った午後の暖かな陽だまりの時間の記憶が鮮やかに蘇った。
 
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by k_hankichi | 2016-05-01 08:01 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by Oyo- at 2016-05-02 09:05 x
春の光のもとではんきちさんの寛いでいる姿が浮かびますヽ(^。^)ノ
Commented by k_hankichi at 2016-05-02 09:48
おようさん、あのころは時の流れが極めてしっかりとしていたような記憶があります。