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by はんきち

秀逸なる写真エッセイ『アジェのパリ』(大島洋)

こんなに美しく静かに沁み入るような文章を書くフォトグラファーが居たのか、と思った。『アジェのパリ』(大島洋、みすず書房)。

“そして私の視線はアジェの視線と渾然一体となり、その奇妙なアイデンティファイがされるなかで、私自身とアジェの境界さえも曖昧になっていくような気がした。「私が見ている」というときの主体は、当然、私にあると思っているのだが、ほんとうなのだろうか。「私が見ている」その私的視線は、歴史の重層性がその瞬間に与えてくれる、歴史と私の現在とこ一回限りの夢のようなものかもしれない。”(「パリ I」より)

たくさんの美しさに出会って、雨上がりの空をながめながら、少し心が落ち着いた。

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アジェのパリ

大島 洋 / みすず書房

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by k_hankichi | 2016-04-24 12:22 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by maru33340 at 2016-04-24 19:58
この本は名著やね
Commented by k_hankichi at 2016-04-24 20:21
maruさん、そうなんだね。文章が堀江敏幸と辻邦生を合わせたような素晴らしさで、ぐうの音もでません。感服です。