音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

『銀座旅日記』のいぶし銀のような毎日

学生時代に出会った辻邦生の『モンマルトル日記』は、西欧の美と哲学に出会った男が自己が採るべき生きざまを問い詰めていく、苦悩と恍惚の軌跡だった。あのころの僕は自分の姿をそこに重ねて、辻の思考を追体験した。究極の日記だったと思う。

その心の衝撃を大切にしたかったから、安易には人の日記本には近づかないようにしていた。そんななか、ふと手に取って買い求めてしまったのが常盤新平の『銀座旅日記』(ちくま文庫)だ。

読み始めたら片時も離したくなくなるほど面白く、触発され啓発されていく。本をよく読み(作家で翻訳家でもあるから当然なのだろうけれども)、人とたくさん会い、飲み、食べ、旅をする。葉巻まで燻らせる。血圧と血糖値を気にしているのに美食家でもある。競馬も賭けるし、将棋もする。なんと多趣味なのだ。いつ、執筆活動をしているのだ。これに比べれば、僕などは子供のようなものだ。

しばらくするうちに、ふと既視感に捉われた。どこかでこのトーンの者を読んだことがある。ああ、と思い当たったのは、いつも楽しみにしているブログ知人(saheiziさん)の毎日だ。

さまざまな事柄に触れ、刺激を受け、思考し、そして楽しむ。一日一日を噛みしめる。毎日が、いぶし銀のようになる。

まだまだ僕にはできることがある。そしてまた、やっていけることが沢山ある。そういうことを考えながら、みちのくからの帰途に就いた。

c0193136_16495105.jpg


銀座旅日記 (ちくま文庫)

常盤 新平 / 筑摩書房

スコア:


 
[PR]
by k_hankichi | 2016-03-25 20:46 | | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://hankichi.exblog.jp/tb/25447576
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by maru33340 at 2016-03-25 21:14
常磐信平さんの文章は、さらさらとして少しペーソスがあって良いね。
久々に読んでみよかな。
Commented by k_hankichi at 2016-03-25 22:53
とーても、良かった!maruさん。
Commented by Oyo- at 2016-03-26 00:09 x
哀愁ですかー、なるほど^^
Commented by k_hankichi at 2016-03-27 12:38
おようさん、元気が出ますよ。