ピロスマナシュヴィリ、バティアシュヴィリ、ブニアティシヴィリ
映画『放浪の画家ピロスマニ』を、神奈川の三番館で観た。グルジア(ジョージア)の天才画家ニコ・ピロスマニ(本名ニコロズ・ピロスマナシュヴィリ、1862-1918)の半生。
どんよりと暗いグルジアの土地。ワインを造るためのブドウ農場があったかと思えば、肥沃とは思えぬ殺伐とした丘陵がくり広げられる。
ピロスマニはそのような土地に生きる人々とは一線を画した生活をしていこうとする。結婚もしようとするが(という話なのだと思う)、彼はその境遇に我慢ができず、式場(とはいっても家の前庭だったけれど)を後にする。
流離の旅のなか、コーカサス山脈の南の地のさまざまな場で絵を描いていく。或る時は持て囃され、或る時は、稚拙な絵だと蔑まされる。哀しみに打ちひしがられて町の片隅に隠れるように暮らしていた彼が救われるのは、ロシア革命が起きて暫くしてからだった。
どこまでも陰く深く、カサカサと描かれたこの国の人々と空気。しかし歳月が経て今や、リサ・バティアシュヴィリや、カティア・ブニアティシヴィリが活躍するようになった。
そこには理解不能なほどに深い違いと溝があって、だからとても不思議なる感覚に包まれた。
■出演:アヴタンディル・ヴァラジ、ダヴィト・アバシゼ、ギヴィ・アレクサンドリア、スパルタク・バガシュヴィリ、テイムラズ・ベリゼ 他
■監督:ギオルギ・シェンゲラヤ
■脚本:ギオルギ・シェンゲラヤ、エルロム・アフヴレディアニ
■製作:1969年、ソ連
■『キリン』 →
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/12/Pirosmani._Giraffe.jpg■『祝祭』 →
https://es.wikipedia.org/wiki/Niko_Pirosmani#/media/File:Pirosmani_kutezh.jpg■映画トレイラー →
https://youtu.be/tiWFob_yrbg