サントペテルブルグに行きたい・・・『「罪と罰」を読まない』を読んで

『「罪と罰」を読まない』(岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美、文藝春秋刊)を読了。

この本は、一言で言うと、NHKの紀行的番組「世界入りにくい居酒屋」の文学版のようなもの。番組の方は、訪れたことのない街角をコーディネイター(レポーター目線のカメラ)が先導しながら、スタジオにいる二人(時として三人だったか?)があれやこれや想像力を働かして語り合うものだったが、こちらの書物は、ドストエフスキーのこの小説を読んだことが無い四人の小説家が、空想力に物を言わせて、筋書きを想像しあい、また登場人物たちの人間関係を語り合う、というもので、文学の世界では全く新しい取り組みだった。

僕も一度は読んだこの作品の中身を、如何に覚えていないのか、ということを知って愕然となったけれど、小説を読むということはそういう程度のものなのかもしれない。
 
さて、ドストエフスキーのこの小説の舞台はサントペテルブルグで、もちろんソビエト連邦時代はレニングラードと呼ばれている。

先週、ショスタコーヴィッチのこの名を冠した第7番の交響曲『レニングラード』を生で聴いたばかりだったから、無性にこの町を訪れたくなった。訪れれば必ず、ラスコーリニコフが徘徊していた通り、住んでいた街区、ソーニャの店(?)などを探しているだろう。

ここにあったレニングラードフィルは、ムラヴィンスキーが指揮していた時代、世界四大オーケストラの一つとして数えられていたし、その足跡をたどることもできる。マリインスキー劇場だってあるだろう。

『読まない』という本を読んで何故か触発され、街角探検隊の行くべき先が、ますます増えていく。

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『罪と罰』を読まない

岸本 佐知子 / 文藝春秋

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Commented by maru33340 at 2016-01-20 07:58
そうか、この本の面白さは「世界入りにくい居酒屋」のノリにあったんやな。ほんまにその通りだすなあ。
Commented by k_hankichi at 2016-01-20 08:24
maruさん、はい、新発見どす。
by k_hankichi | 2016-01-20 06:55 | | Trackback | Comments(2)

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