良質なヒューマンドラマ映画のような・・・『リーダー論』(高橋みなみ)

読み終えたとき、背筋がぞくぞくっと震えるような感興に襲われた。『リーダー論』(高橋みなみ、講談社AKB48新書)のことだ。AKBとはまったく交わりがない毎日を送っている僕だけれど、新聞でビジネス書の売れ行きベスト1と書いてあるのを目にして、話のタネにでも読んでみるか、という程度の気持ちで買い求めたものだったから、猶更だった。

この著者はこれまでAKB48のリーダー、そして総監督を務めてきた。その彼女は自らのことを、次のように言う。

「私のような凡人が認められるには、頑張るしかない。(中略)自分に自信がないからこそ努力するんです。周りに少しでも追いつくため、自分が掲げる「理想の自分」に近づくために。」(「はじめに」から)

そんな彼女が様々な事柄を経て気付き、そして実践してきたリーダーがなすべき5つの仕事。若い女性らしい感性で、しかしそれはそのまま、われわれ会社で働く人々にとっても同じなのだと気付くのに時間は要しない。

1.メンバーのことを理解する。
2.ほぐして、つなぐ。(この「ほぐす」ということの意味はとても含蓄が深い。30以上も離れた歳の僕にすら、目から鱗だった。)
3.導く。
4.手本を示す。
5.任せる。

この5つにまとめる彼女のスタイルの簡潔さよ。彼女は人々とのコミュニケーションでも優れた才知を見せている。「スピーチ七か条」だ。

ステージの前のミーティング、総選挙のときの順位が決まったときの挨拶。彼女が体得し、それぞれの機会に留意して放った言葉の数々。そこで選んだ言葉、構成や話し方。

なるほどと頷く項目に絞り込まれている。それをもとに彼女が放つスピーチの光り輝くことよ。

そしてこのリーダー論は、「グループが変革を起こすには」という小見出しの項で終わる。総監督としての彼女の最後の仕事は、そのためのものなのだという。

良質のヒューマンドラマ映画のエンディングを観ているかのように、深い吐息と爽やかな香りがそこに満ちていた。

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■高橋みなみ「リーダー論」を語る →https://youtu.be/ZZ9RbdyvaIY

リーダー論 (講談社AKB48新書)

高橋 みなみ(AKB48) / 講談社

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Commented by およう at 2016-01-15 11:12 x
確かに惹きつけますねー^^
Commented by k_hankichi at 2016-01-16 08:40
おようさん、若い人だけれども、頭が下がりました。
by k_hankichi | 2016-01-15 00:32 | | Trackback | Comments(2)

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