こころが凝縮された書評集

これほどまでに素直で、簡潔で心が凝縮した書評集を読んだことがなかった。『小泉今日子書評集』(中央公論新社)。

のっけからズキッときた。

“その本を読みたくなるような書評を目指して十年間、たくさんの本に出会った。読み返すとその時々の悩みや不安や関心を露呈してしまっているようで少し恥ずかしい。でも、生きることは恥ずかしいことなのだ。”(「はじめに」から)

この人の言うことは信じられる。直ぐにそう思った。

“立ち止まっていた場所から一歩前へ進む登場人物たちだが、彼らの孤独はきっと改称されない。それでいいのだと思う。私も今、少しだけ孤独を感じている。でも、その孤独は慣れ親しんだ、すごく当たり前のもののような気もするのだ。”(「かもめの日」より)

“空を見上げるほんの数分の静かな時間が旅の醍醐味だと私は思っている。この本にはその醍醐味gがたくさん詰まっているから、寝室のベッドにいながら私もはるばる遠くまで時空さえも越えて旅をすることができる。”(「鳥と雲と薬草袋」から)

冗長さが一切なく、詳細すぎず、くどすぎず、専門家ぶらず、薀蓄を語らない。

こんな書評をいつか書けるようになりたいなあ。
 
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小泉今日子書評集

小泉 今日子 / 中央公論新社

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Commented by maru33340 at 2016-01-06 18:38
難しい言葉ではない、借り物ではない、自分の身の丈に正直な言葉だけを使ってこんなに豊かな書評を書ける小泉今日子という人は、本当に頭が良い人だと感服したのであります。
Commented by およう at 2016-01-06 20:23 x
お好きなキョンキョンさんの作品がこのような素敵なところから出版されたのですね^^ 凄い方なのですねー・・・。
Commented by k_hankichi at 2016-01-07 08:11
maruさん、おようさん、ほんとうに感服しきりです。
by k_hankichi | 2016-01-06 17:09 | | Trackback | Comments(3)

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