フルトヴェングラーが為せるミステリー

大晦日に読み通したのは、フルトヴェングラーが託した楽譜にまつわる小説で、ちょうどブログ友人が、その指揮者が演奏したドイツ・レクイエムのことを聴いていたらしいので、とても縁を感じながらのことだった。『遺譜』(内田康夫、角川書店)。

内田さんの小説を読むのは、これは二度目で、だからその世界には殆ど馴染みがない。しかしこの作品は「浅見光彦最後の事件」と題されているだけに、おそらく内田さんファンにとってはとても名残惜しい位置づけなのだろうと推察した。

小説の舞台は、東京、軽井沢、名古屋、京都、神戸、稲城(登戸)、ニュルンベルグ、ザルツブルグ、といった街で、なぜかそのそれぞれを僕は訪れたことがあって、不思議なる感覚に包まれる。

小説としては読み終えれば、ああ、このようなものだったのかと思えるものなのだけれど、その途中での感興をそそる語り口には脱帽した。戦中からの70年の時代を味わう。その筋書きの巧みさがミステリー作家の腕なのだろう。

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遺譜 浅見光彦最後の事件 上<「浅見光彦」シリーズ> (角川書店単行本)

内田 康夫 / KADOKAWA / 角川書店

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遺譜 浅見光彦最後の事件 下<「浅見光彦」シリーズ> (角川書店単行本)

内田 康夫 / KADOKAWA / 角川書店

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Commented by maru33340 at 2016-01-01 06:36
あけましておめでとう。
面白い所からスタートしましたなあ(^^)
今年もよろしくお願いいたします。
Commented by k_hankichi at 2016-01-01 08:19
maruさん、あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします。
はい、スタートは、太平洋戦争前にフルトヴェングラーがヒトラーユーゲントに託して日本に送った楽譜が主題の小説でした。クラシック音楽もたくさん出てきて、そこは良かったです。一方でストーリーはどうしても「繋いだ」感が満載でした。星(☆)は一つ。
Commented by およう at 2016-01-01 15:31 x
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
何か繋がりますねー(*^_^*)フルトヴェングラーの演奏凄いです。いつか読んでみます。
Commented by k_hankichi at 2016-01-01 17:44
おようさん、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
はい、何か繋がります。小説の方はあまり期待せずに。しかしそのなかでフルトヴェングラーやら音楽にまつわる話題は面白いので、いつかどうぞ。
by k_hankichi | 2016-01-01 00:35 | | Trackback | Comments(4)

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