白石一文を読み、なにか空虚になる

今週は、週の半ばから白石一文の最近の小説を読み進めていた。

『快挙』(新潮文庫、2013年)
『ここは私たちのいない場所』(新潮社、2015年9月)
『光のない海』(集英社、2015年12月)

最近の作品になればなるほど、作り物感が増してきていて(もちろん小説の多くは作り物なのだけれども)、なんとも味気ない気持ちに包まれた。白石さんは無理して小説をこしらえているように感じられた。

デビュー作『一瞬の光』の、まさにまばゆいまでの切れ味のことが遠く思われてくる。

そんな中でも、しかし心に残ったのは、『快挙』である。写真家を目指しながら挫折し、そして小説家に転向しようとして、も掻く。妻は彼を支えていくが、或る時から二人のあいだに溝ができ始めていることに気付く。ふとした瞬間に妻の心変わりを感じ、男は焦燥する。互いは寄り添える関係に戻れるのか。病の危機を乗り越えたとき、ようやっと心の内を打ち明ける。

寝転びながら、茫洋とした気持ちになっている今である。

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快挙 (新潮文庫)

白石 一文 / 新潮社

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ここは私たちのいない場所

白石 一文 / 新潮社

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光のない海

白石 一文 / 集英社

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by k_hankichi | 2015-12-12 14:09 | | Trackback | Comments(4)
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Commented by およう at 2015-12-12 17:09 x
白石さんの小説は私も読んでいて最近は空しくなるというか、作者自身の心の内が希望の無い淡々とした身近の表現で読む者に自分と同じ気持ちにさせていくような空虚さを感じてしまう・・・、もういいかなと思います。こんな主観を言ってしまっていいのか、ほんと、無理しているような作品が多いですね。
Commented by k_hankichi at 2015-12-12 17:26
おようさん。まさにそういう感覚です。もちろん、いろいろの葛藤のあとストーリーのラストでは救われるという形にはなっているものの、そこからは砂上のうえを、ある種の諦観をもって歩き続ける。そんな感じがあります。深く溜息をつきます。
Commented by maru33340 at 2015-12-12 21:39
そうなのかあ。白石さんの小説も久しく読んでないなあ。
Commented by k_hankichi at 2015-12-12 21:51
なかなか複雑な気持ちです。


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